4
なんで承太郎が名字さんの作ったお弁当を食べているんだろう。
承太郎が可愛らしいお弁当を摘まんでいる様子は可笑しかったのだが、それ以上に羨ましくて仕方がなかった。多分態度に出ていただろうし、それは承太郎も気付いていただろう。


「ごちそうさん」
「お粗末さまでした。承太郎くんには足りなかったかな?」
「まあ、女の食う量じゃあな。…でも、
旨かったから満足だ」
「本当?そう言ってもらえて嬉しいな」

そう言って嬉しそうに笑う名字さんの顔は凄く眩しく、僕の心はときめいていた。

「あ、そろそろ予鈴鳴るね。二人はどうするの?」
「俺は…帰るかな」
「花京院くんは?………花京院くん?」
「…、ああ、ごめん、少しぼーっとしていたよ」
「疲れてるんじゃあないか。花京院は少し名前と一緒に授業をサボるべきだな」
「な、!」

僕は驚いて承太郎を見ると、楽しそうにこちらを見ていた。気付かれているとは思ったけれど、まさかからかわれるとは。僕が狼狽え、返答に迷っていると、名字さんはこちらを見て微笑んだ。

「じゃあ私も花京院くんと一緒にお昼寝しようかな」

そう言われたら、もう断れない。僕は名字さんと一緒にお昼寝をすることになった。






「……すー」
「………」

どうしよう。昼寝するとは言ったものの、名字さんが近すぎて寝れそうにない。そもそも、先程呆けていたのは眠かったからでも疲れていたからでもないのだから当たり前だ。
それにしても、名字さんはよく寝ているなあ。

「…よ、っと 」

名字さんを起こさないように上半身を起こし、彼女の顔を窺った。綺麗な顔。僕は彼女の頬を撫でると、ピンク色の唇が動き、吐息が漏れた。ああ、とても淫靡だ。僕は思わず生唾を飲んだ。
ふと、彼女の足元を見るとお尻の形に沿って流れるスカートの裾から覗く太股に、僕はどうしようもなく掻き乱された。


「ん、」
「…あ、起こしちゃったかな?」
「…ううん、少し、風が冷たくて」

そういえば夕方に近づいたからか、 少し気温が下がったような気がする。

「大分日が落ちてきたね…結構寝ちゃってたみたい」
「はは、そうだね。そろそろ帰るかい?」
「ええ、花京院くんも一緒に帰ろう?」

そういうと彼女は立ち上がり手を差し出してきた。僕は、少し躊躇ったものの、その手を握り返し、そのまま手を繋いで帰路につく。彼女の手は小さく、彼女の横はとても落ち着くような匂いがした。


[*prev] [next#]

[ <<Jogio top