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承太郎達のエジプト旅行に同行してから驚くほどまともなことがない。DIOの刺客が次々にやってくるだけじゃなく、私達の乗る乗り物がことごとく駄目になってしまう。いや、駄目になるなんて可愛いものじゃあない。ともかく、誰か疫病神でもいるんじゃないかと疑いたくなる程であった。
まあそのお陰というか、ゆっくりと色々な国を見てまわれるし、貴重な経験を出来るから、悪くはないのかもしれない。

「よーし、今日の宿はここじゃあ!泊まれるときは豪華なホテルに泊まるとしよう!」

そこは四十階建ての大きなホテルで、室内に大きなプールまであるらしい。ジョセフおじさまは部屋を四室取ろうとしたが、三室しか空いておらず、どうするか会議が始まった。

「一応空いているのは全部ツインの部屋らしいが…名前ちゃんをどうするかじゃな…」
「ベッドが別とはいえ、男女が同じ部屋というのは流石に問題があるのでは?」
「俺なら大丈夫だって!」
「私はポルナレフと一緒にするのが一番心配です」
「奇遇じゃなアブドゥル、ワシもじゃ」
「別に私は気にしないので、三室あれば十分です。是非ここに泊まりましょう」
「むぅ…そうかあ。名前ちゃんがそういうならここにするかのう」

ジョセフおじさまは私に弱いらしい。強い態度で出ると必ずと言っていいほど、言うことを聞いてくれる。折角プールがあるんだし、後で街へ出て水着でも買ってもらおうかしら、と密かに考えていると、正面に立っている承太郎と目が合った。
ニコリ、と微笑むと、承太郎は何を考えてやがる、と訝しむような顔をした。

そうしているうちに、ジョセフおじさまが三部屋押さえてくれたようだ。部屋は全室階が違うみたいで、一緒の部屋のものとなるべく行動するように、と注意された。

「そして、あー…部屋割りのことなんじゃが…」
「私は誰と一緒でも構わないです」
「ふーむ、ならばじゃんけんじゃ!同じ手を出した者が同室になる。ただし、3人以上同じ手を出した場合はノーカン、どうかな?」
「それなら公平ですね」
「よ〜し、早速いくぞ〜!」
「…やれやれ」



と、いうわけでじゃんけんの結果、ジョセフおじさまと花京院、アブドゥルとポルナレフ、そして私と承太郎が同じ部屋になった。何だかんだ承太郎もじゃんけんに参加してたのが可笑しかった。部屋割りが決まったので荷物を持って移動することになった。その前にジョセフさんに水着を買ってほしいとお願いしたら快諾してくれた。後でホテルの人にお店を聞かなければ。

「プール楽しみ!早くジョセフおじさまと水着を買いにいかなきゃ」
「おいおい、名前。その前に傷の手当て、頼むぜ〜?」
「はいはい。ちゃんと傷口、濯いでおいてね?じゃなかったら、ウォッカ吹き掛けるからね」
「鬼かよ!」
「心配して言ってるの。傷口汚れてたら破傷風になるわよ」
「わぁ〜かってるよ!口やかましいのも愛、ってね」

そういうとポルナレフはウインクをした。私はふっと笑うと、口やかましいは余計よ、とだけ言葉を残し、自室へ向かった。



部屋に入ると大きめのベッドが二つ、サイドボードを挟んで並んでいた。窓側のベッドに思いきり身体を投げ出すと、ベッドのスプリングが軋みながら私を優しく支えた。久々のベッドと柔らかいシーツの感触に、目をつむり少しの間微睡んでいると、私が動いてないのにスプリングがギシ、と軋んだ。不審に思い目を開けると、目の前には承太郎の顔が。何故か承太郎が私に馬乗りになっている。

「…どうしたの?」
「いや、なんでもねえ」
「じゃあなんで承太郎は私の上に乗ってるのかしら」
「さあな」
「ってちょっと!胸揉まないでよ!」

そう言いながら抵抗すると、承太郎は私の手首を掴み、頭の上に固定した。勿論、承太郎の力の強さだ。私程度の力じゃビクともしない。スイッチが入ってしまったのだろうか、承太郎は無言で私の胸を揉み続ける。

「ねえ…ァっ、私、ポルナレフのところにッ、あ、行かなきゃ、いけないの…、ンぁ」
「後で行けばいい。今は俺のことだけ見てろ」
「ちょっと馬鹿、ァ…んン!!」

承太郎にキスをされた。ポルナレフが待ってるのに、いや、それ以上に遅いと心配してこの部屋まで来かねない。そう思いながら一人で焦っていると、そんなのはお構いなしといった様子で、承太郎の舌が私の口腔内に侵入してきた。自分の出来る唯一の抵抗だと、舌を承太郎の舌から逃げるように動かしていると、承太郎は私の腕を離し、代わりに私の頭を押さえ、逃がさねえと言わんばかりに舌を絡ませた。承太郎の舌が私の舌の付け根をなぞる度に、身体が震える。口の端からは二人の唾液が混ざり合った状態で溢れ出し、私の服を濡らしていた。
二分ほど経っただろうか、満足したのか承太郎は唇を離した。それまで満足に入ってこなかった空気を思いっきり吸い込むと、生理的な涙が溢れた。

「はあ、ア…、はあ、はあ、っ」
「、煽るんじゃあねえ…本当に最後までヤるぞ」
「っ、煽ってなんかいないわ、ばか」
「…おら、さっさとポルナレフの治療してこい。続きはそのあとだ」
「…そのあとなんて、あるわけないでしょ」

救急セットを手に取ると、私は承太郎をキッと睨みつけた。そして足早に部屋を飛び出した。


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