離れがたい桃鳥



力一杯投げ飛ばしたはずなのにピンピンしているドフラミンゴが心なしか前より距離が近い。
物理的な意味で。

ぴっちりくっついている。ストーカーを極めれるだけ極めた結果は多分これ。

お風呂に入りたい、と告げるとバスルームまで連れて行ってくれた。
だが、さも当然というように自分も服を脱ぎ始めたので、できるだけ優しく穏やかに扉の外に押し出しておいた。

扉の向こうから名前を呼ばれた気がするが、気のせいにしておく。少し寂しそうだと思ったのも気のせいにしておこう。

広くて隅から隅まで綺麗に保たれている。湯船に浸かれば一気に気も抜けるようだった。



ふと思うと、向こうの世界に置いてきた(?)家族や友達のことを思い出す暇もなく時間が過ぎている。

突然消えたことをどう思うだろうか。

〇〇は気分屋だからなあ、と済まされていそうだ。少し寂しい気もしたが、心配をかけるくらいならその方がよっぽど良いのかもしれない。



次に思い浮かんだのが、ピンクのもふもふ野郎。

無意識に思い浮かんだことにイラっとした。人を苛立たせる才能があるとは強ち間違っていないのではないか。


我ながら酷い扱いをしているのにいつまでも構い続けてくる不思議な鳥だ。

しかし。


何故か今は悪い気がしなかった。


あとでしばらくはお世話してくれるようにちゃんとお願いしよう。



寛ぎすぎたかな、と思いそろそろ上がろうかと腰を上げかけたところで、脱衣所から音が聞こえた。

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