見透かされる少女
「帰るぞ」
ドフラミンゴはそう言ったかと思えば、すぐに立ち上がって振り返りもせず、札束を投げた。
店を出ると、日が落ちて、また景色がガラリと変わっていた。漆黒の中に浮かぶ灯りが幻想的だが、どこか心細げに感じる。人通りの少なくなった街をゆっくり眺めた後、少し先でこっちを振り返るドフラミンゴの隣へ向かった。
「そういやぁ〇〇チャン、いつになったら俺に手料理振る舞ってくれるんだ?」
「それは、まだ、」
「ちゃあんと約束、しただろう?ン?」
するりと腰を撫でる手をペシリと叩いておく。
「阿呆鳥には振る舞いません」
「俺ァそう言いながら〇〇チャンが甘いことを知ってるよ!フッフッフッ!」
いつもと同じ調子の会話をしていたが、隣を歩くフラミンゴが歩を緩め、珍しく呟くようにして言った。
「なァ、〇〇チャン、何を考えてんだ?」
何も答えずにいると、肩を掴まれる。濃い色のサングラスの奥の瞳がこちらを見透かしているように感じる。
「ドフィ、なに、」
「〇〇チャンが俺のモンだっていう印だよ」
そういうときつく首筋を吸った。
驚きで声が出ない。口元に弧を浮かべて満足そうにフフフ、と笑っている。
つ、とドフラミンゴが撫でた部分はきっと所有の印を残しているのだろう。
「何処にも行くな」
甘い言葉が自分が特別かのような錯覚を起こさせる。返事もできず、ぴりりと刺激の残る首元をさすった。
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