煽られた桃鳥
「〇〇チャン?」
「〇〇チャン。」
「〇〇。」
「うるさい!阿呆鳥!!」
膝に乗せた〇〇に、何度も何度もはたき落とされた手だが、しつこく続けていたら腰に回した手だけは妥協してくれたようだ。
「ねぇ、離して。」
口ではまだ反抗しているが、もう能力は使っていない。逃げようと思えば逃げられるはずだ。
少し口調が暗くなっているのは不安からか。
「ねぇ、」
〇〇はやめて、といいたかったのだろう。だが、ぐっと言葉に詰まっていて聞き取れなかった。
腰に回した手を解き、頭に乗せる。さらさらと流れる髪を軽く撫でてやる。性に合わないが。
「心配すんな、俺が飼ってやるから。」
〇〇がきゅっと俺の腕を握った。
それだけなのに、口角が上がるのを抑えきれない。何だこの女は。
面白いじゃねェか。
異世界?関係ねェ。気に入った。
ゾクゾクと背筋が刺激されるようだ。
深い深い瞳が潤んでいる。それだけでなんとも扇情的である。
頭に乗せた掌で身体を向き直らせようとすると、〇〇の踵が俺の脛に思いっきり振り下ろされた。
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