通りすがりの外科医
先の見えないことに少し不安になったが、何とかなるだろうと吹っ切れた。何より弱いところやら泣いているところなんて死んでも見せたくない。
〇〇の寝起きはいい方ではないのだ。
変わらず悪戯を仕掛けてくるドフラミンゴ。
うざったいことこの上ない。まあ、この男のおかげで生きていけそうな気はしているが、お礼なんて死んでも言ってやらない。
「ねぇ、寒いんだけど。」
さっきからやめて、離してと無意識に拒否の言葉を垂れ流していただけだったので、ドフラミンゴはその言葉に心底嬉しそうに反応した。
「フッフッフッ!そうか!じゃあ俺と風呂に…」
言葉を全部言い切るのを待つ前に、身体の拘束から抜け出して、大きな扉を開けて廊下に出た。
うわ、派手。悪趣味全開。
どこもかしこも淡い色なんてないんじゃないかってくらいだよ。
飛び出してきたのは良いのだが、行くあてがない。しかも寒い。
向こうの世界は暦では夏から秋に変わる頃だった。暑さがまだ残っていた。
だからこんなノースリーブのニットに薄手のパンツを合わせた秋感は出したいけど熱には負けている残暑コーデなわけで。当然こんな異世界トリップなんてする予定はなかったわけで。
そんなこんなで、突然真冬の気候だ。凍える両腕で自身を抱きしめながら歩く。
「誰だ?」
背後から声がかけられた。これまた背の高く、酷く隈の濃い男。
「ドフラミンゴの女か?」
「それだけはあり得ないお断り無理」
食い気味で答えた私に、男は珍獣でも見るような目を向けた。
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