一番星は燃え死んだ

あんな子になりたいと、何度思ったことだろう。
可愛くて、綺麗で、スタイルが良くて、美人で、話し上手で、場を盛り上げるのが得意で、全く自分とは逆にあるような。そんなあの子。

一番星は燃え死んだ


「モデルはやってみたいと思ったことくらいあるよ?小学生くらいの時にね」

笑って話す貴女の声はいつも心地がいい低い音程だ。

「でも、今やるとしたら。ファッションよりも、作品系がいいかな」

まあ、やらないけどね。とまた笑う。
笑った時にできる左鼻につくクシャリとしたシワが好きではないと前に言っていた。

「そしたら、痩せないとね」

「その体のどこに、落とす場所があるの?」

「女の子はいつだって、ダイエッターだよ」

自分の体を努力の結晶と呼ぶ彼女。

「私は。自分が好きではないから、せめて外見だけでも自分の好きにカスタマイズしないと」

殺してしまいそうなんだよ。
学校が終わる夕方。もう子供でも少女でもない彼女は、女性になった。
初めて会った時を覚えている。
あれは、高校生。私にはキラキラと輝いて見えた。
お酒を飲みながら、顔を赤くして楽しそうに話す彼女。
自尊心が低いのも相変わらずだと思う。でも、だからこそ、彼女は彼女としていられるのではないかと思う。

「一体なにを目指してるの?」

そんな身体作りをして。
努力の結晶と略して、内容を隠す彼女。きっと彼女なりの大変さがあるのだろう。

「愛されることかな」

誰にとは言わなかった。
きっとそれは特定ではないから。人の目を気にしてるんじゃない。他人にではない。それくらいわかる。
私にはキラキラと輝いていて。人が欲しそうなものを平等に、均等に持ち合わせているように思える彼女は、それらを手に入れた瞬間。取りこぼさないように必死に動かなくてはならなくなった人だ。

「十分綺麗だよ」

しまったと思った。
照れて、ありがとうなんていう彼女。心底嬉しそうだ。実際嬉しいことくらいわかる。でも、きっと彼女は後でこの呪いの言葉を必死に守らなくてはならないのだろう。
かけてしまっては、呪い。かけなくても、呪ってしまうこと言葉。その複雑さが、また彼女に当てはまるような気がした。

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