お盆が終わり蝉の声は徐々にひぐらしが強くなってきた。
残暑へと移行する季節は私たちを置いてけぼりにする。まだ、夏の中にいる私たちは暑いと呟いては夏に生きている。

「お盆はどうだった?」

凪には久しぶりに会った。
元気そうな凪を見て

「楽しかったわよ。おばあちゃんたちも元気そうで。それからね、父方のおばあちゃんの家はね田舎にあるんだけど田舎だと蝉の声が素敵に思えるのよ」

「山があるからかな」

「それもあるかもね。でもね、風もどことなく冷たく感じるし。田舎ってなにもないけどそれがいいのよね」

「そうだね」

クーラーが効いている教室でお弁当を食べる。凪は相変わらずパンを1つ食べていた。

「またどこかへ、行きたいわね」

「行こうよ」

「いつ?」

「今って、自由登校でしょ?」

「ええ。お盆開けたからね」

「だからさ、行こうよ」

「え、明日?」

「電車に揺られながらどこかへ行くんだよ」

楽しいことをしよう。と凪は言った。

「また、嘘をつくの?」

「なんで?」

「だって、」

「いいじゃん。自由登校なんだから」

きっと私はこういうところがダメなんだと思う。いい子でいようとしているわけではないけど、そうなってしまうのはきっと、私のつまらなさを表しているんだと思う。
そうだねともそうだったともならない。いいのかなと考えてしまうのはなぜだろう。

「じゃあ、行こうか」

「目的もなしに?」

「ないことはないけど」

「なに?」

「叫ぶこと」

ニヤリと笑った彼女をみて、私はなぜか凪についてふと、考えた。
今まで、なんとも思ってなかったが、彼女はいつもどうしてるんだろう。なぜ、隠したがるんだろう。言ってくれればいいのに。というよりも、私と凪の関係について疑問に思った。
友達とはいうものの、ほんとうに友達なんだろうか。なぜか、凪が私のことをそう思ってない気がした。いや、友人とは思ってくれていると思うが。なんというか、私のことを違う風にみている気がするのだ。

「田舎でも行くか」

そう言って、牛乳をラッパ飲みする彼女。職員室に入れてもらうあたり、彼女の雰囲気は読めない。

「そうね」

私はいまの考えが凪に読まれませんように。とお弁当をほうばった。

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