purple is beautiful


「この花って、名前あるの?」
航海中に出会わせた敵船をルフィがゴムゴムの斧で真っ二つにして、ナミにお宝を取れなくなったと怒られている。
サンジとゾロがどっちが多く倒したとか言い争っている。チョッパーは怪我人がいないか声をかけててみんな怪我ひとつしてなくてウソップと芝生に座り込んだ。
サニーの芝生から手をクロスして、クラッチしていたのを消したタイミングで彼女が私に聞く
サニーにも舞ってる薄紫の花をひとかけら摘んで消えていった。
「どうかしら」
「あぁ、消えちゃった」
私の言葉と被って彼女の残念そうな声が届く。
もう一度緩めた腕を組んで、腕を咲かせる。薄い紫の花びらが舞うのを目で追う。口が少し空いてて上を向いてるのが可愛くて笑ってしまう
「綺麗だよね」
ふふと楽しそうに笑う。芝生に両足を投げ打って座る彼女。
「この花が舞うと、ロビンちゃんだって思うんだよね」
「そう?」
「ロビンちゃんが居る。って感じがして、私好きなんだけどなぁ」
もう花がない空を見てつぶやく。私だと思ってくれるなんて。なんて優しい子
「ねぇ。もう一回」
お願い。なんて言うから、口角がどうしても緩む。可愛らしいお願いを聞くことにして、もう一度手を前でクロスする
芝生に生えた腕たち。そこに舞う花びら。ただ、腕を生やしても面白くないから腕で花びらの地上絵を描いた。
「上手」
楽しそうに笑う。紫の花を摘もうとして消えてしまった
「難しい」
少し不貞腐れている顔を生やした腕の指先でつつく。彼女は笑って叩いた指先を自分の人差し指で叩く。まるで指通しの橋。
「この腕も綺麗だよね。ロビンちゃんの腕?」
考えたこともなくて、どうかしらと首を傾げる
「ロビンちゃんの腕だよ。同じ爪をしてる気がする」
そうだよぉ、なんてのんびりと言う。生やした腕と指を絡ませて握る。自分の生やした腕なのにちゃっと嫉妬しちゃう
「いいなぁ。綺麗なロビンちゃんがたくさん」
「あなたも綺麗よ?」
えへへと照れる。可愛い
素直な言葉が胸に広がって、暖かさで肺が一杯になる。こういうのをなんというんだろう
「ロビンちゃんは、お花に詳しいから。知ってると思った」
生やした腕と握り合ったまま、左右に揺らして楽しそう。
「ごめんなさいね。知らないの」
「いいんだよ。知らないことくらいあるでしょ?」
優しい。ふふんと楽しそうに腕とダンスしてる。ちょっとイタズラ心が芽生えて、腕を解除した
「あ」
握り合っていた手のひらは花を咲かせて消えてしまった。派生した薄紫の花を見つめるけど、それもまたら消えてしまう
「でも、消えちゃうんだもん。やっぱりロビンちゃんじゃないかも」
消えた芝生を見つめながら話す。彼女に近寄り続きを促す
「ロビンちゃんは、ここに居るもんね。居たんじゃなくて」
そこに在る。という大きな信頼を受け取ってやっぱり口が弛む。
可愛らしくて食べちゃいたくなる。少し屈んで彼女の手を取り、あの腕と同じように指を絡める。目の前でなすがままの彼女はよくわかってない顔をする。嫌がっても、照れてもない。気にしてないように、左右に揺らして楽しそうなご機嫌な鼻歌。
「花の名前さ」
彼女が話し出したから、目を合わせる。楽しそうに笑う。何を思いついたの?
「オハラとかにしたら?」
急に故郷の名を告げる。なくなってしまった故郷。なによりも大切な、悲しい場所
「消えちゃうから、アレだけど。いつでも、そばにいるでしょ?寂しくなったら腕を生やしたら居るもんね」
イヤ?首を傾げて少し不安そうに私の顔をのぞいてくる。失ってしまったけど、そばにあっていつでも取り出せるようにしてくれた。少し指の力を込めた
「嬉しいわ。そばに居てくれるようにしてくれたのね」
「故郷って、そういうもんだとナミちゃんに聞いたから
寂しくなるけど暖かくなるんだって。ロビンちゃんの腕の温度は暖かいから、ちょうどいいね」
私の言葉に嬉しそうな顔をして、嬉しいそうに話してくれる。揺らしてくる腕。子どものブランコみたいな可愛らしさ。
「紫は、ロビンちゃんだもんね」
私のことをたくさん考えて、たくさんの私の存在を見つけてくれる。うれしくなってまた指に力を入れる。それに気づいて、彼女も力を込める。ふふんと楽しそうに笑う。生やしてないのに、その笑顔から薄い紫の花びらが舞っていて綺麗だった



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