逆さ富士を眺める


青い炎が空を舞うのをみて、なんて自由なんだろうと思った

決戦の鬼ヶ島は大混乱で、麦わらたちもキッド海賊団もどこにいるのか分からなくなってしまった。我らが船長を見つけたのも束の間、ビッグマムとの決闘に駆け出していった。
クイーンとキングの大看板を相手に飛び回る青い炎をはじめて目にした。緩やかに燃え、軽やかに飛ぶその鳥はきっと、縛られるものなんてないんだろう。命を持つもの全てが恐る死をものともしないその不死の青は優雅に鬼ヶ島の天井を飛び回り2人の追撃を交わす
ロロノアが起き上がって不死鳥と変わる。疲れたと瓦礫に座る不死鳥とメガネ越しに目が合う
「お疲れ様だよい」
軽く手を振られるから、お辞儀で返す
「えらく他人行儀だよい」
「他人です」
「辛辣だな」
ハハっと軽く笑われる。だって、初めましてだ。話したこともない。なんなら、大物級。
白ひげの一番隊隊長なんて、御目通りになるのも烏滸がましい。うちの船長ならまだしも、その下っ端なんて
「で。オマエはなんでここに?」
トラファルガーは向こうだろ。と目線で語られる
「・・・やることなくて」
少し迷って素直に話す。だって、戦闘員じゃない。ただの雑用。なんなら、嫌々乗せられてる。潜水艇は機関士が命だ
操舵手のハクガンが勝手に私を師匠と拝むからこうなった。頼むから手配書だけは避けていたい。なんなら、人質。街を歩いてていちゃもんつけられてから白いツナギを渋々着てる。ただ、それだけ
私の答えに、ちょっと呆気とられて大袈裟に笑う
「これまた、面白いやつが現れたモンだよい」
膝を叩いてまで笑う。そんなにか?思わずジト目で見ちゃう
「いやいや。悪かったよい。でも、海賊やっててそれは流石に大物すぎやしないか?」
「好きで乗ってません」
項垂れながら話す
「まあ、オタクんところの船長も我が強そうだもんなぁ」
そうなんです。いい男だからいいけど。でも、それだけで全て許せるわけじゃないでしょ。そう言いたいけど、面倒だからやめた
ハアとため息つきながら少し青い炎を出す。残火を眺めているとまた目が合う
「なんだぁ?珍しいか」
青い炎を手のひらに出してくれる。なんとなく、触れようとして炎を遠けられる
「あぶねぇよい」
すみませんと軽く謝ると、頭の後ろを掻いてちょっと困った顔
「海賊だと思うと、拍子抜けだよい」
な。と笑う。こちらがため息をついちゃう
手のひらにまだ灯る青い炎を眺める。懲りずに触ろうとしてスッと消える。タイミング悪く、彼の手のひらと重なり合う
ほのかにあたたかい手のひら。青い炎が馴染んだよう。重なる手を掴まれる。大きな手のひらだ
「冷たい手だよい。柔らかくて、白い」
心地の良い温かさを持つ手のひらに自分の手を馴染ませるように握り返した。青い炎に溶けていく黄色いバターのような温もりは離した後も消えず、手を開いて閉じたりしてもずっとそこに残ってた。不死鳥というのは、本当だったんだな



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