「帰ってこいよ」
*男主
サンジの蹴りは隕石をも破壊するのではないかと思う時がある
「うらあああ!!」
黒足なんて呼ばれて、脚から炎を出す姿は悪魔そのものだし、なんなら今みたいに仲間のために怒りをぶつけている姿を見ると、隕石をサッカーボールみたいに蹴り転がせるんじゃないかと思うのだ。仲間のためにというものの、その仲間が俺であって、女じゃない。それでもここまで怒ってくれるんだから、優しい奴だ。
「おい!なぁに、やられてやがる」
フーとため息のようなひと呼吸をしてタバコの煙を空に出す。両手を繋がれて磔のようになった身体は自由を効かない。動かす気力もない。
仲間を売るようなことをした。ルフィたちを危険な目に合わせた。いくら四皇になったとしても強い奴は強いし、いつだって最悪の場合を入れておくものだ。ウソップやナミ、チョッパーは怖い思いをしたと俺を責めるだろうな。ゾロは、どうかな。特に何も言わないだろ、そういう奴だ。
この地下に轟くサンジの蹴りが無力な俺を責め立てるようで居た堪れない。いっそのこと俺なんか助けねえで逃げてくれねえかな。でも、それをしないから仲間なんだろうな。
「悪魔風脚・・」
回転しながら空をかけて幹部である大男の顎にお見舞いする
「粗砕!!」
いつだってスマートな技だ。ゾロとは真逆。
一戦終わって俺の手錠を外しにくる。
「おいおい、なんてザマだ」
「ああ、」
「なんだぁ。顎でも砕かれたか」
「い、いや」
「とにかく上手く話せねえんだな。チョッパーのとこ行くぞ」
「ま、まて。だ、から」
「まあまあ、何も言うな。俺にはわかる」
ジャラジャラと音を立てて腕が解放される。いきなり支えがなくなって前に倒れるところをサンジが支えてくれた。向き合うようにしゃがむ俺の肩には綺麗な料理人の手が映える
「ひっでぇ、有様だな」
「お、おどろく、くら、い、にな」
「打撲より切り刻まれたような跡だな」
「お、おれ、おれの血、ほしっ、さだ、からな」
「もう、喋んなって」
「で、も、おれ。き、けんな目に、あわせ」
「バァカ、お前が自分をあったことくらいわかってんだよ」
「ち、がう。逆だ。おれが、おま、えら、を売った」
「へーへー、そうかよ。ったく。1人でなんでも抱えやがって」
「お、まえに。言われた、くな」
「うっるせえな。ビックマムのことはもういいだろ」
「お、おれにも、タバコ。よ、こせ」
「はあ?お前、吸える状況じゃねぇだろ。まずはチョッパーだ」
「ああー、なみ、ちゃん。怒って、そ、だな」
「ああ、ロビンちゃんもな」
「ああ、ろ、びんちゃん。くらっ、ちは、嫌だな」
「レディを悲しませた罰だ。きっちり受けろ」
「おー、、」
「ったく。お前が俺たちを売るなんてあり得ねえだろ。わかっててやったんだろ」
片目がこちらを向く。血まみれで流血のために閉じた左目は相変わらず開かない。そういや、うちの両翼は隻眼だな。俺も仲間に入れてくれねえかな。お前らがキチンと空から地に足ついて踏ん張れるように、足になるからさ。
「俺も、そうだったからわかる。遠ざけようとして上手くいかなかったんだろ」
「いや、わりと、ほん、きで、売った」
「にしては、ザルだな」
あちゃー。誤魔化すように笑いたいけど、傷のせいで上手く唇が動かない。切られたか
「なんでもいいよ。お前が無事なら」
よっこいせと立ち上がる。手を差し出されるけど、掴まそうにない。それを見越して肩を組まれる。痛くて、ぐげっ。なんて変な声が出る。
「まったく。ほんとに無事なのかわかんねえな」
「ま、て。まだ、ここ、ろの、準備、が」
「いいから、帰ってこいよ。みんな待ってる」
作戦がうまくいかないなんて、今に始まったことじゃねえだろ。なんてスマートな彼が言うからその通りだと心で笑った。
「さ、んじ」
「なんだぁ」
担ぎ直したサンジのスーツには俺の血がベッタリついてて今度買い直してやろうと思いだなから近くなった彼の耳元で割と最後の力を振り絞って喋る
「とく、せい、カレ、食べた」
い。まで言えたか覚えてないけど力が抜けて気を失った。でも、言えたと思う。気を失う前に、またそれかよ。なんてウザそうな言葉で嬉しそうなリズムで返事が返ってきてたから。
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