第三回討論会
自分が何をしてもダメだなと思う日は誰しもあるだろう。
でも、それでも落ち込んでしまう。心が苦しくなって あれ、何してるんだろう。って考えてしまう。
今日はなんだかよくわからないがイライラする。小テストの点も悪い。いつもはもっとできるのに。そりゃ学生は勉学が主だし、親に払ってもらっている以上しないわけにはいかない。
それになんだかイライラする。喧嘩もしてないし、特に何もない。
掃除のとき、机を運んでると倒してしまった。課題を家に忘れた。ああ、イライラする。
「どうしたの?イライラして」
「別に」
「そう」
ああ、もう。また同じ間違いをした。
今、彼女と一緒に今日出た課題を解いていた。いつもなら間違えない計算式を間違えた。しかもさっきも同じようなミスで。
消しゴムでイライラしながら消していたら。ぐしゃっと紙に皺が寄った。ああもうくそ
「大丈夫?」
彼女は綺麗な眉を八の字にしてこちらを見ていた。
「べつに・・ねえ」
「なに?」
「どうしても、うまくいかない日ってあるじゃん。すごくイライラするよね」
「ほんとう、大丈夫?」
彼女は綺麗な文字を歴史の課題に書いている。
この子は頭がすごくいいというわけじゃなくて、普通。中の中っていう感じで運動も普通。でも、容姿がいい。それだけで何もかもなかったことにされる。
クラスでみんなが、性格がいいと顔もよく見えてくるだの言っていたがそんなことは嘘でイケメンじゃないと中身も見ない。逆にイケメンすぎると見えたとしても深くは見ない。恋は盲目というのは本当なんだなと恋もしたことがない私は思った。
「おーい?」
そういわれて意識を戻した。
「なに?」
「いや、ほんとうに大丈夫?」
「・・・大丈夫だよ」
そういって外を見た。
そこから見えるの空き教室。そろそろ閉校するとかいう話があるが本当かはわからない。この辺は山と田んぼしかない。どっかのマンガみたいに河川敷もなくただただ緑が広がっている。そのせいで中学とか小学校が合併して今じゃ私の通っていた小学校は廃校し形だけ残っている。中学校は私の学校が残り他のところが廃校した。
テレビで田舎はいいだの地方に行こうとか言っているが都会の人には分かるまい。不便さが。
空き教室には先輩が二人いて何か話している。
空き教室は机たちが後ろへ下げられている。きっとそこから机を持ってきたんだろう。今日はセックスしないんだなと思いながら見ていると
赤い夕陽が見えた。いや、夕陽にしたら赤い・・・
「うわ」
「なにみえてるの?」
彼女の赤い目だ。綺麗な赤い目。イチゴのような赤い目。
「べつに・・」
「ああ、あの先輩たちね」
そう言いながらくるりと後ろを向きあの教室を見た。
なんとなく、二人で向こうに見えるあの空き教室を見ていた。
二人は手を恋人つなぎにしてそのまま何かを話している。
なんとなく見えずらいから彼女の隣に座った。
あ互いに無言で見ていた。なんとなくもっと近くで見たくなったから窓際の本棚に椅子に座ったまま足に付いたローラーを転がしながら移動し腕を乗せクロスし顔を埋め少し持ち上げてみた。
そしたら、彼女も椅子に座ったまま移動し隣へ来た。本棚の上で右腕で頬杖ついていた。
空き教室では先輩たちが話していて、可愛いい水城先輩が泣いているのが目を反対の手で目を押させていたことで分かった。その水城先輩の頭を美人の崎原先輩が優しく微笑みながら撫でていた。
そういえば水城先輩は心が優しいく可愛いからお姫様と呼ばれている。名前が姫愛だからお姫様とかけているらしいけど。
「心が優しすぎるのも、問題だよね」
「優しさが逆に残酷になるみたいな?」
「そう」
私が発した言葉を彼女は普通に返した。
「あ」
そのまま、先輩たちはキスをした。そのまま深くキスをしていった。
「帰るよ」
そう言って彼女は鞄に課題道具をしまった。
「え?」
急すぎてそのまま彼女の行動を見ていた。
彼女は苦い顔をしながら、眉間に皺を寄せ綺麗な顔を歪ませていた。
「どうしたの?」
「ねえ」
「なに?」
「帰ろう。もう電車がなくなる」
「うん」
嘘だ。
彼女は電車の時間のことで早く帰ろうとは言わない。
先輩たちがキスをし始めた時に態度を変えた。そういえば彼女は、私にキスをするとき。ディープは気持ち悪いからと言っていたような気がする。
どうしてだろう。処女でキスはあのときが初めての私はディープなんていう濃厚なものはしたことがない。だか、彼女はあるのかもしれない。
学校を出て駅気に向かうまでの道のりは静かだった。いつも通り彼女が先に歩いて私が少し後を歩く。いつも何かを話している訳じゃないが今日は空気も静かだった。
「どうしたの?」
私は彼女に聞いた。
彼女は、こちらを振り向かずに
「なにが?」
と聞いた。
「いつもと態度が違うから」
「同じだよ」
彼女はいつも読めない。
なにを考えているのかなにもわからない。いつも微笑みながら私の事を言ってくるのに、いつも突飛な質問をしてくるのに。
ああ、イライラする。腹がたつ。私の事はなんでも知ってるのに私は彼女のことがわからない。そのことにとてもイライラした。
「ねぇ。なんで、先輩たちのキスを見てそんな機嫌が悪くなるの?」
「なってないよ」
「なってる」
「なってないよ」
「なってる」
そんなやり取りを何度も繰り返していたら、もっとイライラしてきて、少し早足になってアスファルトの道路に革靴がコツコツとリズムよくなった。そのまま彼女の前に立った。
「私、イライラする」
「そう」
「貴女のことなにも知らないから」
「そう」
「どうして、キスを拒むの?」
「別に、前に彼氏がいてなんとなく気持ち悪いなと思ったからだよ」
「ファーストキス?」
「そう。一人しか付き合わなかったよ」
「もうヤったの?」
「いや、ヤってないよ。ちゃんと神秘の聖処女だよ」
「じゃあ」
「指を入れるまではイったけど気持ちよくないっていうか気持ち悪かったんだよ。なんとなくね。まぁ、彼が童貞君だったからかもしれないけど」
「そうなんだ」
「うん」
「その・・あの・・相手のを、見たっていうか、触ったり・・・なめたり」
「君って、知識豊富なんだね」
「中学の子たちが言ってたから」
「ふふ。なめてないけど、触って抜いてあげたことはあるよ。抜くときイきそうになるでしょ?その時の顔がたまらなくてね。それにイったら疲れるから突っ込みたいとも思わないからね」
「じゃあ、キスは」
「ディープは吐き気がした。フレンチは何と思わないんだよ。でも、気持ち悪かったんだよ」
そういいながら綺麗な笑みを浮かべた。
そのことを聞いて心がもやもやした。なんだろう。やはり彼女には彼氏の存在があった。処女であっても私よりも先に進んでいた。そのことに嫉妬しているんじゃない。私は彼女の行動に嫉妬したんじゃなくてきっと、ファーストキスをした彼氏に嫉妬している。きっと彼女の事だから綺麗な体をしているんだろう。胸の形もきっといい。その胸を触り揉みなめて顔を埋めてよろこぶんだろう。私は彼氏がいたこともないし興味もない。セックスだってしたことがない。だからその行為が気持ちいいのかも知らない。
「どうしたの?」
彼女は目の前に来ていた。
「ねぇ」
「何?」
「私とキスするのは嫌じゃないの?」
「うん」
「そう・・」
「あ、なに?彼に嫉妬した?」
「うん」
彼女は悪戯そうな笑みを浮かべたが、私の問いに驚いた顔をしそのまま固まった。
「そっか。嫉妬したの・・」
彼女はそういうと楽しそうに笑った。
「君は可愛いね。可愛いよ」
そう言ってキスをした。
「君は私にキスされると嬉しい?」
そんなことを聞いてきた。
「わからない」
「わからないの?」
「私は恋愛というより愛とか恋とかに疑問を持つから。なんで人を好きになれるの?私は別に同性愛者に偏見は持たないけど、だからと言って男性の事を恋愛観で見ることはできない。なんにも反応もしないんだよ」
分からない。人を愛すことが。友人ではなく恋愛で人を好きになるのが。そもそも付き合うってなんだ。付き合って何がしたいんだ。手を繋ぎたいの?ハグをしたいの?キスをしたい?その先の事を?
別に友人でもできることだ。やはり自分も別に好きでもない人とセックスしたいなんて思わないけど。最近はセックスフレンド。セフレなんてものもある。まぁきっと一回ヤってしまうと処女膜なんていう最初破くときに痛くて面倒なものはなくなるとどうでもよくなるのだろうな。それか快楽に飲まれるんだろうか。
分からない。何もわからない。
「そう・・」
彼女は私の発言に驚いたがすぐに微笑み抱きしめた。
こんな誰もいない田んぼ道。最近は日が暮れるのが早く、早く帰るから仕事をしている人はいない。抱きしめられたまま向こうの山を見た。ああ、黒くなってきた。
「君はそのままでいいよ。そのまま穢れなく聖なる乙女でいてね。他の人に穢されないで」
「うん」
そう言って私は抱きしめ返した。