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「まさか恭弥まで来るとは思わなかったよ」

「バーボンも沖矢昴も来るなんて面白そうなことしかないじゃないか」

「だからって無駄に出て行くのは無しね……群れてるから」


はあ、とため息をひとつ零して流れていく景色を見つめる。
今回はやたらと人気だった依頼で、そこに予備で2枚もちあわせていたのが運良く余ってしまったためにこうして恭弥と名古屋までの機関車移動を楽しむことになった。本来ならばここには幸田を連れてくる予定だったが別件で離れることが出来ず、ダメ元で誘った恭弥がなんとノリノリで来てくれたのだ。降谷さんや秀さんにバレないよう少し変装をしてだが。
変装については訳がある。バーボンとしての依頼ということは組織絡みであり、組織の人間が居る可能性がある。その組織の人間ですらきっと雲雀恭弥という名前は聞いたことがあるはず。だからこそ彼ら組織は並盛や並盛付近では絶対に手を出さない。ボンゴレに潰されてしまうのは目に見えているからだろう。そして、その雲の守護者である雲雀恭弥が居るから尚更。今回は楽しむことを目的に乗ったのだから無駄に争うのも巻き込まれるのも面倒であること間違いなし。変装はあっちのベルモットには劣るが、しないよりもマシだろう。キャスケットを被った恭弥を見て思う。
用意された部屋でゆっくりと紅茶を飲みながら過ごすなんてなんと優雅な時間だろうか。名古屋へと向かうこの汽車はミステリートレインと言うだけあって行き着く場所すら提示されてないのだが、時刻表を見てしまえばすぐわかる事だった。やはり他の兼ね合いもあり時刻まで操作することは鈴木財閥であろうと難しいことなのだろう。……まあ出来たらある意味すごい事だが。
「はあー」、と溜息を吐いて窓の景色を眺めてみるが心が晴れ晴れとはしない。その理由としては、乗客にあの名探偵くんが居るからだ。彼は事件ホイホイなのだ