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「これ、お土産です」

「……久しぶりに会えたが、イタリアにでも飛んできたのか?」

「ええ、少し用事があったので」


どうぞ、とイタリア土産であるオーソドックスなチョコレートを渡してから彼の愛車であるRX-7の助手席へどかっと座り込んだ。
今回はヴァリアーの手伝いで仕方なくイタリアへと飛んで任務を遂行してきたのだが、正直久々の戦闘に体は悲鳴を上げていた。できれば今すぐこのまま眠ってしまいたいと思うほどにあちらでも飛行機の中でも一切体が休まることは無かった。降谷さんは渡した袋の中を見てチョコレートともう一つ入れたいお土産に「おお」と声を漏らしている。


「イタリア製はやっぱり繊細な物だな」

「"安室透"へのお土産ですよ。名刺ケースなんて安室透にしか要らないでしょう」


そう、名刺ケースをお土産へと選んだのだ。安室透がいかにも持ちそうな牛革で作られた名刺ケースに降谷さんはもろに嬉しそうな顔で「これはいいな」と呟いている。この人は意外と素直な人だなあ、と毎度思う。