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"bourbon"と書かれたメールに随分と洒落たネームだな、と鼻で笑った。
USBメモリをパソコンから引き抜きポーチへとしまったところで、バーボンと名乗る男の情報を頭の中で引き出してそういえば、とまた目の前のパソコンをごちょごちょといじる。
出てきた画面にはお目当てであるバーボン基、安室透の情報。それには随分と綺麗な経歴が書かれてあるがこれはきっと作られた人間なのだろうと、ため息をひとつこぼした。作られた人間にこれから会うのかと思うと少しだけ気が重くなり、途端に行くのを辞めるか、とまで考え始める。
暇潰しで情報屋をやってはいたが、そろそろ面倒になってきて辞めようとしたのがつい昨日の話。その最後の依頼が彼、バーボンからの依頼だった。最後の相手だ、と調べたのがいけなかったのだが、何分こういう裏の仕事をしてる人間なので調べなければ気が済まないのだ。


「まあ、丁度良かったのかな」


ヴァリアー側から上がってきていた"黒の組織"についての報告書を見ながらぼそりと呟いた。ボンゴレにとって敵対となることも無い組織、と結論付けられている。ちなみにその潜入をした彼はマーモンの幻術によって組織側に殺害されていることになっている。
まあ風紀財団である私には大いに関係ないのだが、今回組織の幹部である"バーボン"からの依頼ということで今回限りの引き受けだ。パソコンに表示されていたタブを消して電源を落とす作業まで行い時計を見ると約束の時間まであと1時間となっていた。