有給消化編(1日目)





有給休暇1日目。
朝からゆっくりと過ごし、昨日の夫婦会議で決めた通り動いていた。
昼食後に愛車であるRX-7で、人気の大型スーパーへと来た。ここは基本がアメリカンサイズで、食材については手を出さないことにしている。名前と大きなカートを2人で押して歩きながら、相談をしつつカートの中へと商品を入れていく。楽しそうな横顔に、こちらまで楽しくなる。
そう、さっきまではそうだった。名前の顔を見て、可愛いなあ、と日々の激務から程遠い、和やかな気持ちで過ごしていた。それなのに、

「赤井......!」
「あ、赤井さんこんにちは〜」
「降谷君に名前じゃないか」

嬉しそうに奴へと手を振る名前とは反対に俺は嫌悪感を顕にした。赤井に向かっていく形でカートを押す名前に従って仕方なく同じ様に押していく。赤井は手に持っていた商品を棚に戻して、こちらを見た。その顔は憎らしくなるほどに綺麗で整っている。チッ、と心内で舌打ちするだけに留めるのは名前に嫌われたくないというだけだ。奴は馴れ馴れしく名前と話す。名前も楽しそうに話してるからこそ余計にモヤモヤしてしまう。
じっと二人を見ていれば、赤井が名前から視線を外し自分へと向けた。

「降谷君も元気そうだな」
「......ええ、貴方も元気そうですね。精々バカンスにでも来たのでしょう?早く帰ってくださいね」
「零くん、赤井さん前にすると照れるの?相変わらずツンツンだね」

辞めろ違う、と否定しようとしたがその前に赤井がははは、と笑った。何年か嫌な縁ではあるが、こいつとそれなりの付き合いの中で、初めて声に出して笑う赤井を見た。それに驚いて思わず目を見開いてしまう。こいつ、笑うのか、と。

「名前は相変わらず面白いことを言うな」
「」