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久々のコース料理に私は幸福感に満たされていた。何が1番とか決められないほどにとても美味しく、食べてる最中は何度も安室さんに「かわいいですね」とか「その顔見てると幸せです」とかやたらと甘い言葉を吐かれたが、それすら気にならないほどだった。安室さんが取ってくれたのは個室であったために尚更ゆっくりとコースを味わえたし、それに安室さんと綺麗な夜景を眺めながらの食事は私の人生の中で1番の贅沢だと思われる。彼が私なんかとの食事で満足したのかは分からないけれど、笑顔で接してくれてる辺りきっとすこしは楽しんでくれていると思う。「あとはドルチェですね」と白ワインに口を付けた。その姿は本当に美しい。見とれそうになるのをぐっと堪えて夜景の方へと視線を無理やり向けて「楽しみです」と、答えるしかなかった。
やっぱりもう一度美しい姿を見たくて ちらり、と安室さんを見ると、バチりと視線が交わり、優しく目尻を下げてこちらを見つめている。
「名前さんと食事が出来て幸せですよ」
「こんなとこまで来ての揶揄うのはちょっと……」
「中々理解していただけませんね」
ううん、と唸る安室さんを見ていると小さくノック音がなり「失礼します」と扉が開いた。