デストレス・グリーン
部屋の中にいるぶんには窓だけ開けてりゃ耐えられるのかもしれないが、今の今まで炎天下の屋外にいた身としては焼け石に水にもならない。エアコンつけてえ、でも人ん家だしな、って一応の遠慮。ソファに寝転んだヤツはなんとも涼しげな顔で、チラリと俺を見上げ目をそらす。

「兄ちゃんの友達の人?」

そうだよアイツ俺しか友達いないからね、まあ俺もアイツしか友達いないけど、すげえ残念なことに、つーか『友達の人?』ってなんか眠てー質問だな、と答えてやるのも億劫で、俺はああともおおともつかない相槌だけ返す。目を疑うような色の頭髪が、一応流れ込んでくる風にはたはたと揺れていた。



一生帰ってこれないと思っていたが、そんなこともない。わりとフツーに踏めるものである。故郷の土の話である。土っていうかアスファルト。そりゃフツーに踏めるというものである。思いの外あっさりと、しかし確実に居心地は悪く、面白くもない再会を小一時間ほどで終え、俺は平日の昼間から電車に揺られている。そもそも故郷の『土』ってのがすでに言葉のあやだよな、と思う。俺の故郷だって田舎とはいえ、昼間というだけで電車の乗客が俺一人になってしまうような田舎とはいえ、それでも未舗装で土が剥き出しのド田舎なんてことはない。ごくごく標準的な地方都市である。駅前を離れると途端に山々が迫り、大型総合ショッピングモールの立体駐車場がいつも死ぬほど混み溢れている。そんなフツーの地方都市。好きでも嫌いでもなかった。というか特に街自体に思い入れはない。生まれ育ったというだけで思い入れを抱くには、この街は少しフツーすぎる。似たような街は全国各地に無数にあるだろう。別に本当に二度と戻れなくたって惜しくもない。逃げてきているのだから尚更だ。

電車に揺られて三駅。似たような田舎駅で電車を降り、ギリギリ住宅街へと続く道をぷらぷら歩く。真夏の容赦ない日差しが、上着の下のワイシャツを背中に貼り付かせる。じっとりと。様々なしがらみが、思い出したように縋り付いてくるかのようだった。あの街にいる間は麻痺でもしているかのように何も感じなかったのに。今は暑さも加えて余計に不快に思う。
故郷の街からローカル線で三駅のこの街には、住んだことも訪れたこともない、思い入れもクソもない。ただアイツが住んでいるというだけ。それでも、ここにアイツが住んでいなければ、俺は故郷の土を踏むことなどなかっただろうと思う。『じゃあ夜はこっちに来いよ』と、当然のようにアイツは言った。『こっちの駅庄屋あるし』とか、マジでそれはどうでもいいんだけど。でもそんなふざけた情報がなければ、こんなクソ暑い格好してわざわざ故郷に戻るなんてありえなかった。逃げ道がなければ。俺は未だに逃げ続けている。何から逃げているのか、それがわかれば苦労はしない。
しっかしクソ暑いなおい。思わず殺意溢れる独り言を漏らすと、スーパー帰りのバアさんがギョッとこちらを見てすれ違って行った。はいはいビックリさせましたねゴメンなさいね。気の早い猛暑日に真っ黒の上下。特に上着の肩の辺りがグングン日差しを吸い込んで、スクスク鉄板のごとく温度上昇していくのがわかる。上着を脱ぎたいが、脱ぐわけにもいかない。汗でシャツがべったり貼り付いてるのがわかる。絶対これ背中透けてる。絶対セクシーじゃんこれ、なんて。

『玄関カギ開いてるから勝手に入っといて』

どんなド田舎だよってメールのとおり、その家の玄関は無施錠だった。泥棒入ったらどうすんだって、現に見知らぬ男が侵入してるわけだし。玄関入ってすぐ、薄暗い廊下。この昼間特有の薄暗い感じは、なんとなくついさっきの面白くもない再会を思い起こさせて面白くない。ついさっきなのにもうずいぶん昔のことに思えるし。俺の脳は故郷に関することを全力で過去にしたいらしく、ついさっきの出来事にももう思い出補正がかかり始めている。もちろん悪い方に。
二階へ続く階段もあるが、そういえば俺はアイツの部屋がこの家のどこかさえ知らないのだった。あんまり人ん家うろうろすんの気がひけるんだけど。やっぱ外で待ってようか、でも暑いしいつ帰ってくるかわかんねえし暑いし。仕方ねえ、リビングならいいんじゃね、という謎ルールで自分に言い訳し、俺はその家のリビングのドアを開けたのだった。




「それ喪服?クソ暑そう」

そうだよクソ暑くて気分が悪いんだよ、クーラー付けてくれ、と言うのももちろん億劫だ。突如自宅に侵入してきた喪服の男に驚きもせず、ソファに寝転んだままの推定弟くんは、盛大にはみ出した脚を気まぐれにぶらぶらさせている。最大限に着崩した黒いスラックスと白いワイシャツ、どう見ても高校生。わりと年の離れた兄弟なんだなって、つーか弟おったんかーいって、聞いてねえ。しかもフツー『勝手に入っといて』なんて言われたら家に誰もいないんだと思うだろが。ごく当たり前に密かにパニクる俺に、推定弟くんは「あれだったらシャワー使ってください」って寝転んだまま急に敬語。その余裕がよくわかんねえ〜これがゆとり世代か。俺が悪い人だったらもう死んでんぞ推定弟くんよ。

「いやいいや、平気。つーかならクーラー付けてよ」
「クーラーは7月中旬にならなきゃダメって兄ちゃんが…」
「親とかじゃなくて兄ちゃん?破れ破れそんな言いつけ」

エコかよ。弟くんは「でも暑くねーし」なんて余裕の発言をかまし、肘を立てて俺を見上げた。イケメンである。アイツも顔だけはいいが(逆に言えば顔しか良いところがないが)、弟くんのほうがより女子にキャーキャー言われそうな可愛い顔してんなあと。ホント女子にバカ受けって顔である。チンコ使いまくってんだろうな、クソ妬ましい。まあその全てが緑の、目を疑うような真緑の頭髪で台無しにされてるんだけど。ブラジル国旗の緑の部分みたいなグリーンの髪。無駄にサラサラ。およそどんな校則のゆるい学校でもアウトであろうと思われるが平然と真緑である。これも一種のヤンキーなんだろうか。超怖い。

「あ、もしかして兄ちゃんの友達のホモの人?」
「はあ?どんなアバウトな説明されてんだ俺、こええわ。タバコ吸っていい?」
「あ、リビングはちょっと…うわ、もう吸ってるし信じらんねえうわあ…」

だってもうずっと吸いたかったんだもん。実家じゃ吸えねえし吸うほど寛ぎたくもねえし、外だと暑すぎて火なんか使いたくねえし。弟くんが寝そべっているソファの背もたれに座り、煙を吐き出す。露骨に嫌な顔をされるが、その顔がなんだかまた可愛いと思った。アイツの弟だと思うとゾッとするけど。

「マジで男でも勃つの?」
「あー勃つ勃つ。ビンビンだわ」
「俺でも勃つ?」

って、首かしげ気味で。「俺でも勃つ?」なんて、良くされる不躾な質問ランキング首位くらいだが、弟くんがするとあざといほど可愛い。けれど同時に、冗談めかして言った彼の目が少しも笑ってないことに気づく。こういう質問するやつって大抵こういう質問しちゃう自分超面白い、なんて思ってるバカが大半だけど、弟くんは微塵もこの質問を面白いと思っていないようだった。つーか目が死んでる。笑ってないていうか死んでる。なにこれさとり世代の特徴?そして『男でも勃つの?』『俺でも勃つ?』と来たら、もう次に来る問いは決まっている。

「俺とヤってくんない?」

そう言って見上げてくる目は1ミリも笑ってなくて、媚びてすらなくて。ふざけてるんでも本気で誘ってるんでももう少しどうにかしろよなって。色気もクソもねえし面白くもない。というか突如自宅に侵入してきた自称兄の友人の怪しい男にセックスのお誘いってフツーにビッチか。将来が心配にもほどがある。
タバコの灰が長くなってきた。いい加減イライラしていたのでこの推定ビッチ弟くんの顔にでも落として文字通りお灸をすえてやろうかと思ったが、後が怖い。ソファの向こうのテーブルに置かれた飲みかけのペットボトルが目に入る。身を乗り出してそれを取るのに、うつ伏せの背中を踏みつけた。「うげー」なんて可愛くない声を出す推定ビッチ弟くん。

「暑いんじゃねーの、上着脱がねーの?」
「俺、着衣プレイ派だから」
「マジかよ。ていうかうわ、マジかよ」

まだ半分以上は残っているメッツコーラの中に伸びた灰を落とすとドン引きした声を出される。お前のほうがドン引きだからな。初対面の俺に対する反応と対応と、その髪色と、全てがドン引きだからな。もともとクッソ気分悪いのに、暑い上にこのガキのデリカシーの欠片もないおふざけでイライラは最高潮である。デリカシーがないのはその兄が人類の中でも群を抜いているが。

「俺ってやっぱそんな魅力ない?」

うるせーなその顔でいくらでもキャワイイ女子が釣れるだろうがチンコ使いまくっとけ、とデリカシーの欠片もない言葉が口を吐きかけるが、もうホントに気力がない。暑い。タバコの火すら鬱陶しい。コイツいるから上着も脱げねえし。脳みそが煮え立って死滅していってる感じがする。もともと絶対少ないのに。バカじゃなけりゃ今日ここに俺はいない。バカじゃなけりゃこんなガキの相手しない。

「なにお前、俺に誰の代わりしてほしいわけ」

うつ伏せに踏みつけたままの推定ビッチ弟くんの肩がかすかにこわばった。オイオイオイそんなに分かりやすくて大丈夫か、さっそく心が痛むわ、絶対やめねえけど。いい加減イライラしている。普段なら気にも留めない不躾な質問も、今日だけは脳を掴んで揺さぶられる、吐き気がする。タバコを唇に挟み、緑の襟足がかかる襟首に手を伸ばす。白いワイシャツの背中に灰が落ちたが、気にするようなことでもないだろう。

「オイ、こっち向け。聞いてんだよ誰の代わりかって。頼み方次第では好きなように呼ばせてやるし呼んでやるよ」
「…別に。誰の代わりとかじゃねえけど、ッ」
「おっと、逃げてんじゃねえぞコラ」

寝返りを打ち、起き上がろうとした薄い胸板を踏みつけて制した。さっき脳が全力で過去にしようとした諸々が急激に鮮明に、指先まで生々しくよみがえるようだった。気持ちわる。俺もコイツも。生きてるってだけで気持ち悪い。コイツが俺を誰の代わりにしたがってようがクッソどうでもいいし、俺のほうがそれを言い訳にしようとしてんじゃないかとか、お互いにぶつける先のわからないどろどろした醜いものを妥協してぶつけ合おうとしてるんじゃないかとかクッソどうでもいい。どうでもいい。俺が生きてる限り脳の片隅で常に苛まれ続けるんだろうとか、だから何?って感じだし。悲観もしない。諦観もしない。ただどうでもいい。放置したって生きていける。気持ち悪い気持ち悪いと思いながら生きていける。だからこんなガキがどんな事情抱えてようが最高にクッソどうでもいい。ただそっちから吹っ掛けてんだから少し虐めたくらいで逃げんなよなって、それだけの話。

「突っ込まれたいの突っ込みたいの?俺どっちでもできるし。だいたいどんなプレイもできるから、頼み方次第でどうにでもしてやるって言ってんだろ。早く決めろ」
「頼み方って?」
「それくらい高校生なら頑張って自分で考えような、弟ちゃん。やりたいようにシてもらえるように、一生懸命その気にさせんだよ」
「頼み方間違えたらアンタのやり方でシてもらえるってこと?」
「お前俺がギッチギチに縛り上げて殴りながらじゃなきゃ勃たねえっつっても同じこと言えんのか」
「最ッ高だし。酷くしてもらえるならむしろ本望」
「お前ホントに可愛いなあ!」

クッソ生意気なガキだなマジで、殺してやろうかな。薄いうっすい、ぺらぺらの胸板に膝を立てて体重をかけるとさすがに苦しそうな顔をする。そういう顔はホントに可愛いけどね。可愛いんだけど。俺もガリガリだけどコイツもガリガリだから。力入れたら折れそう。アバラとか簡単に。折っちゃうか。咥えたまま放置のタバコが地味に燃え続けて、じりじりと熱が唇に近づいてくる。灰がまた、ぐしゃぐしゃに引き攣れたシャツから覗く鎖骨に落ちていった。まだ熱い灰の塊が肌に触れる瞬間、ビクリと誤魔化せないほど震え、眉間のシワが深くなる。灰が落ちた部分の肌がじわりと赤くなった。だがそれだけだ。そのまま肌は白く冷めていき、灰は熱を失って脆く崩れる。痕にもならない。なんにもならない。意味がない。
そして急激に冷めてくるのを感じた。怒りもイラつきも、確かにあるいは興奮であるそれも、急激に。緑の前髪の下から、まんまるな黒目が見上げてくる。なんていう表情なんだろうな、これ。こういう表情をする人間は何を考えてるんだろう。よくわからない。俺は今どんな顔してるのか。どんな顔だと思われてるのか。

「やめた。駄目だ、すげえ冷めた」
「…はあ?!なにそれ、ありえねえ!もうすげえ、殴られるって覚悟したのに」
「うっせえな、この頭じゃ勃たねえよバーカ」

真緑の髪をわさわさ撫で回して脚を下ろす。つーか覚悟って。やっぱめちゃくちゃビビってんじゃねえか。未だ寝転んだままの身体を尻で押し退けて無理矢理ソファに座る。短くなったタバコをメッツコーラに押し込み、新しいのに火を付けた。駄目だ、暑い。やっぱシャワー借りるか。いやこの流れじゃ借りられねえ。蒸し返す感じになってしまう、クソが。

「今日誰の葬式だったの」
「…」
「喪服なんでしょ、それ」
「…お前は?なんで髪の毛緑なの」

質問に質問で返すとキレるの誰だっけ。スルーされた自分の質問はあっさりスルーし、自分の真緑の前髪に手をやるあたりコイツも聞き分けがいいのか悪いのか、単にバカなのか。バカなんて俺に言われたくねえだろうけど。俺だってコイツには言われたくねえ。

「…これは、今の俺の心境の色」
「…なにそれ。めちゃくちゃ面白いなお前」
「うっせ…触んな、あーもう、うっせえ…」

やっぱバカなんだなあコイツ。
わさわさと緑の髪を撫でてやる。暫定純情弟くんがイヤがって手を払おうとするのも、声がちょっと震えてんのも無視して、わさわさわさわさ撫で続けてやった。



「ようこそおかえり我が家へ、ん」

そして問題の長男坊は、帰ってくるなり自分の部屋のベッドに寝転び、タバコをくわえると俺のほうへ顎を突き出した。点けろと。長男坊様様である。ベッドの縁に腰掛け、自分のタバコの先を近づけて火を点けてやると、何故か大喜びで俺の尻を叩き「エロいな〜さすがビッチ」と暴言を吐いた。壮絶に殺したい。

「お前の格好見てるだけでクソ暑いんだけど。上着脱いだら?テキトーに掛けといて」
「ああ、どうも」

もう脱ぐタイミング逃し続けて汗も引いちゃったよ。結局1日着続けてしまった上着をやっとで脱ぐ。ああすごい開放感。するとワイシャツの背中に手のひらが充てがわれる。冷たくも熱くもない手だった。

「“落書き”のほう透けてる。火傷は透けてないけど」
「マジで。普段スーツとか着ないからわかんねえ」
「下になんか着ろな…あ、サラシ巻く?巻いちゃう?」

巻かねえけど。別に普段の生活範囲なら“落書き”くらい透けたって構わないし。透けた“落書き”をなぞるでもなく、あるはずの傷痕をなぞるでもなく、充てがわれた手のひらがただ上下して背中を撫でる。他人に背中を触られるとか想像するだけでゾッ、だけど、コイツに触られるのは別にいい。たぶんそこになんの思惑もないからだろう。コイツマジで自分のことしか考えてないからな。マジで、ちょっとマジでサイコパスの疑いがあるからな。

「お義兄さん、元気だった?」
「元気そうだったよ、遺影の中ではな」
「…へーえ」

こういうとことか。誰の葬式か言ったよな?俺。そんでお前「えぇー死んだの、ビビるわ〜」とか言ってたよな?本当に良識がない。本当にこういうとこが大好き。友達としてだけど。他のヤツにこんな対応されたらブチのめすけど。

「別に生きてようが死んでようがクッソどうでもいいと思ってたから、いざ死なれるとどんな反応すりゃいいのかわかんねえ」
「…でも会いに行っちゃうんだ」
「…死んでほしいと思ったっていいヤツなんだけどな、死んだけど。まあ死ねばいいと思われてたのは確か」

背中を撫でる手はそのまま、この家の長男坊は声をあげて笑った。いやここ、全然笑うとこじゃねえから。笑いのツボぶっ壊れてんのか。弟は髪の毛真緑だし、クスリでもキメてんのかねこの兄弟は。

「頑張ったねハルちゃん」
「…なにが?」
「俺、お前のそういうとこ大好き」
「やばい、フツーにキモいんだけど」
「あっそ。スッキリした?」
「なにが?マジで話が見えねえ。まあお前の弟とヤらせてくれたらスッキリはするけど」
「ハッハー、殺すぞ。つーかお前さ、いや別にいいんだけどさ、人の弟でストレス発散してんなよ」
「してないしてない。先っちょだけだし」
「あ、そーお?ならいいけど」
「良くねえだろうがよ、ちょっと、マジでなんもしてねえからな」

おなじみの“よくわからない笑顔”になった長男坊に念押しで言い訳をしておいた。誘ったのは向こうですし。つーか多少ズレてるものの、間違いなくお兄ちゃん的発言によくわからない鳥肌が立つ。え、なに兄ぶっちゃってんのヤバい。いつも自分のことしか考えてないくせに、やっぱ弟は別ですかお兄ちゃんしちゃいますか、やばいすげえキモい、笑う。
髪が真緑の弟くん。暫定純情弟くん。こんな兄ちゃんがお前のこと大事だってさ。誰でもいいってんなら兄ちゃんにヤってもらえよな。それが嫌なら諦めろ。俺なんか引っ掛けてたらひねくれがうつるし、面倒見切れねえ面倒くせえ。それにたぶん、あんな顔してるうちはこの兄ちゃんくらいしか相手してくんないだろう。それはそれでおぞましいけど、問題だけど。あとそもそもコイツホモじゃねえし。まあでも、こんな人の心に欠ける兄ちゃんが心配してんだぞって。そういえば。

「お前弟くんに俺のことなんて言ってんの?」
「え〜?フツーに友達って」
「いやフツーに友達って反応じゃなかったんだけど…」
「まあ、義兄に犯されてホモになった友達とは言ってないから、心配御無用」
「…」

まあ死ぬほどデリカシー無いけど。暫定純情弟くん、お前の兄ちゃんはやはり一度死んだほうがいい。
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