5

『とりあえず彼らは僕が作った牢屋にでも入れておくとして、こっちで見つけた情報とかだよね。』
ある程度時間が経ち、何とか元に戻った二人とカミサマは最初の話題であった書類についてと、注意してほしいことを話すべく、三人を連れてカミサマの空間である所へと来ていた。
『まずはこの書類についてなんだけど、カミサマというのはある種の職業名みたいなもんなんだよね。花屋とか、会社員とかみたいなのと同じような感じなんだよね。で、色々と世界の管理とかで書類があったりでここの世界についての書類とか探したりしていたんだよね。そしたらさ、ちょこちょここの世界のカミサマが遊んでいたのか、手が回らなかったのか、この世界の歪みだったり見つけたらすぐ消滅させるか、直したりしなくちゃいけないはずのところを放置していたっぽいんだよね。そのせいで、よくこの世界は交わるはずのない世界と混じったりして、いきなり人が消えたり、迷い込んだりってしていたみたいなんだよ。実花さんならわかるでしょ?このこと。』
「そうですね。今回お二人とカミサマと会う前にお使いとかしていたんですが、あまり直したりはできなかったので…。それに、今までよりも迷い込まれる人が多かったんですよ。…同じ人が短期間に何回も来られたり…ね。」
「と、言うことは直せるだけ直していっても多すぎて直すのに時間がかかる。それに加えてここの世界のカミサマが行方不明だから抑える力が0に等しくなってしまっている。それで、一番の問題はあの世界を作り直そうとしている組織の人たちがどんどん壊していってしまっている。ってことですよね?」
『そう。だから、この世界は色々と危機に直面している状況なんだ。で、この中のここを見たらわかると思うんだけど、意図的なのかはわからないけど、ほかのある世界のカミサマがこの世界に協力していたって記録が残っているんだよね。けど…。』
「なに?なんか悪い噂でもあるの?それか前科持ちだったりして!?」
「夢花…そのテンションおかしいよ…。」
『夢花…正解。この場合は前科まではいかないけど結構際どい事やって悪い噂が結構あるんだよ。そいつがここに協力していたから、今回のボスって言われている人はそいつかもしれないんだ。しかも、夢花が聞き出していたけど、彼らはボスには何かしらの考えがあるといっていたんだよね?』
「うん。なんかね、無条件に信じているっていうか詳しくはわからないけど、確実に何かしらの手段があるって知っているように感じた。」
『なら、そいつの可能性が高い。カミサマってものは、作られている世界を壊すこともできるけど、意図的に壊して作り直すってことくらいだったら小さな世界にはなるけど不可能ではないからね。』
「ということは、私たちの敵って…。」
「別の世界のカミサマですか…。」
「大丈夫じゃない?対策とかしっかりしておけば。」
「…軽くない?この状況わかってる?」
「わかってるけどさ、お姉ちゃんと実花さんちょっと重く考えすぎじゃない?少しは軽くしないと!」
「いやっ夢花は軽すぎだと思う。」
『まあ、こんな会話ができるだけいいんじゃない?』
こんな感じでカミサマが見つけた書類に関しての話をしていた。
そんな中実花がカミサマに対してぽつりと言った。
「カミサマ。そういえば注意することって何ですか?」
そういわれた瞬間カミサマが固まった。そしてそのあと何もなかったかのように話そうとした。しかしそこに突っ込む人はもちろんいる訳で
「いやいや!何しているの!?忘れてたでしょ完璧に。」
『いやっそんなことは無いよ!この後離そうと思っていたし…。』
「そんなこと言ってー。書類の方伝え終わったからって頭から抜け落ちてたでしょ!」
『だーかーら忘れてなかったよ!』
こんな感じでカミサマと夢花が言い合いを始めてしまった。