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「『はあ…はあ…』」
しばらくの間言い合っていたがお互いに息が切れてしまっていた。
「何やってるの…。カミサマも注意することがあったのになんで言い合いしてるんですか…。」
「ご、ごめんなさい。」
「うん。とりあえずカミサマは話してもらってもいいですか?」
『ごめん…。えっとね、話さなきゃいけない事っていうのは夢花の体質?的なことについてかな。』
「夢花さんのですか?チカラとかを持っている以外ですか?」
『そう。ちょっと夢花はチカラを持っているってこと以外でも特殊なんだ。』
そういってカミサマは話し始めた。
『夢花の体質なのか、そうじゃないのかはまだはっきりとはしていないんだけど、夢花は運命をつかみ取ったり、捕まえておくことができる少し珍しい人なんだ。』
「カミサマ。運命を掴んでおくことができるって言ってますけど、それが何で特殊なんですか?」
『今の話だけだと花楓が疑問に思うのも分かる。なんでかというと、運命って基本いじったり、捕まえる、結び付けとくとかはカミサマしかできない事なんだ。けど夢花はそれを無意識で出来て、しかも周りの人の運命とかも結び付けたり、捕まえたり、もちろんつかみ取ったりできるんだ。そんな人が居るって何らかの時にばれてしまったら…』
「…夢花さんがいろんな人から狙われる?」
『そう。狙われるだけじゃなくて、攫われたり、ほかの世界で神として崇められるかもしれないんだ。そんな生活でもいいならいいけど…』
「ぜーったい嫌!今までの暮らしができなくなるのも嫌だけどお姉ちゃんと居られないのも嫌!」
『でしょ?だから、あまり人の名前―この場合はフルネームだね―を聞かないようにしてね。聞いただけですぐ運命がどうのこうのにはならないと思うけど、どこか別の世界に行っていた時にそこの世界のカミサマに近しい人とかにバレちゃうと大変なことになるからね。』
「カミサマはなんでわざわざうちらに言ったの?」
『最初にも言ったけど、夢花は無意識でやってしまうんだ。だから、言って知ってもらっておいた方が三人とかに降りかかる問題の数は少なくなるかなって思ったからね。…まあ、夢花はなんでかわからないけど厄介事も持ってきちゃうけど…。』
「…それ…なんか…しっかりと+−ついてトントンになってません?」
『…まあ、そうとも言う。』
カミサマと三人は、今の問題に関する書類についてや、カミサマが言っていた注意事、そこから夢花のトラブルメーカー疑惑など色々と話していた。
しかし敵の方も世界を新しく作り直そうとしている訳で、何もせずにただ待っているはずもなかった。