「あっれー、あれってカゲと誰?」
「…女だな、カゲが女と歩いてる。」
そう言って信じられないものを見たような表情をする二人に、カゲこと影浦雅人がいち早く気づき睨みつける。
「かげまさ?急にどしたの…って、誰、知り合い?」
「一人は知らねーな。」
「っえ、もしかしてその一人って俺の事!?ねえ、俺の事なの!?カゲ〜!」
物凄いテンションでカゲに話しかけているのに、邪険に扱われている彼は、この辺で有名なボーダーとも提携している進学校、六穎館高等学校の制服を着ているわ遅れてやって来た短髪の男の子も同じ制服だ。
割とタイプ。
「おい、犬飼。カゲが本気で嫌がってるからやめてやれ。」
「、ケッ!」
「はーい、ところでこの子はカゲの彼女?」
「あはっ!」
「うげっ!」
ふわふわした髪型の彼がそう言うと、私とカゲが反応した。
てか、うげって何だ。
「ざけんな、こんなアバズレと付き合うわけねーだろ。」
「うわっ、傷付いた。かげまさの何気ない一言が私の豆腐よりもやらかい心を粉々にした。」
「うるせ、泣き真似やめろ。きしょくわりぃ。」
そんな感じでいつも通りのやり取りをしていると、進学校のお二人はポカンとしていた。
「そいえば、この二人誰?かげまさ、進学校に友達いたの?」
「ああん?ボーダーの奴だわ。」
「ああ〜!なるほどー!私、苗字名前。かげまさの彼女じゃないでーす!」
やっと関係性が見えてきたので自己紹介をしたのだが、二人は私を見て何も言ってこない。
あれ、もしかして私とは仲良くなりたくない感じか?傷つくな。
なんて思っていたら顔に出ていたのか、ふわふわ髪の男の子が口を開いた。
「ああ!ごめんごめん、あまりにカゲと親しげだったから面食らっちゃって、俺は犬飼澄晴。よろしくね〜。」
「ああ、俺もすまん。少し驚いた。荒船哲次だ。よろしく、」
「おい、こいつ顔は中の下だけどくそビッチだから気をつけろよ。」
「あ、ちょっと!初対面の人にそんなこと言ったら引かれるじゃん!」
「(否定はしないのか…。)」
「(否定はしないんだな…。)」
その後、カゲは荒船君達とボーダーに行くと言って私を置いて行ってしまった。
お好み焼き食べたい気分だったのに…。
「…おい、今度来い。」
「!!…うん。奢ってね!」
「誰が奢るかっ!」
カゲは超能力でもあるのだろうか、たまに私の考えてる事の返事をくれる。
かと言って踏み込みすぎて来ないので、たまに付きまとっているのだが、本当に嫌われてたらどうしよう。
立ち直れない。
「…カゲが、あんなに綺麗な子と友達だったの意外。」
「ああん?ダチじゃねーよ。」
「ダチでもないのにカゲが一緒に居るの珍しいな。サイドエフェクトの関係で、あんま女子と居るの嫌がるだろ。」
「…あいつは、誰といても誰かに感情を向けてねえから、つるんでても不快ではねえんだよ。」
「…へえ、意外と冷めてるんだね。名前ちゃん。」
「名前呼びしてんな、きめえ。」
「えぇ〜、カゲだって名前ちゃんにかげまさ、って呼ばれてたじゃん!」
「あれはあいつが勝手に呼んでるだけだ。」
「ええ〜!?ほんとかな〜?」