あれから一週間。
私は学校に行っていない。怪我を理由に休んでいるのだ。
それどころか、あんなに寂しくなるから嫌いだった家から一歩も出ていない。
家にいても、眠っているだけなので怪我はほぼ治った。
足が少し痛いだけだ。
「…はあ、」
あの日、二宮さんに触れられた頬がまだ熱を持っているような気がする。
結局曖昧な返事をしたまま、連絡をとるのも怖くてスマホの電源を切ったまま家に引きこもっている。
家が近所の同級生が重要なプリントを届けに来てくれているので、学校の方は問題ないだろう。授業は相当やばいだろうが。
留年するのは嫌なので、さすがに明日からは登校しなくては。
明日、学校行ったら誰かにノート貸してもらわなきゃ…。
ピンポーン
明日の計画を脳内でたてていると、家の呼び鈴が鳴った。
ひょこひょこ歩きながらインターホンを除くと、懐かしい見慣れたモヒカンが映った。
「当真…」
玄関に行き家の扉を開ける。
「お、生きてるな。」
「…当真あぁ〜、」
「え、何!?怖い怖い。」
一週間親しい人と会っていなかったせいか、当真が居ることがとても嬉しくて思わず泣いてしまった。
玄関に居ると、ご近所さんに変な噂がたってしまうため、とりあえず当真を居間に案内する。
涙を手の甲で拭いながら、当真の制服の裾を掴みながらソファに座った。
「…あー、なんだ。その、久しぶりだな!」
「っ、う、…ん、」
「…名前、大丈夫か?」
「っ、、うん、」
ようやく落ち着いてきて、顔を上げて当真を見る。
「怪我はもう治ったか?」
「うん、足はまだちょっと痛いけど、もう学校行ける。」
「そか、そりゃ良かった。」
心配そうな表情が安堵の表情に変わった。
「あのな、怪我で動けなかったのは分かるけど、LINEくらい返せよ。既読も付かないからまじで心配したぞ?」
「スマホの電源切ってた。」
一週間放置し続けたスマホを指さした。
「まじか、…なんで?」
その言葉に心臓が変な風に動いたが、一人で抱えているのは辛かった。
「あのね、」
当真に、二宮さんとの事を全て話した。
もちろん、お母さんの事も、家の事も。
静かに聞いてくれる当真は、別人のようで少しだけ怖かった。
「苦しいの…当真、たすけて。」
「……っ、」
「私、どうしたんだろ?」
「…そ、れは、あれだろ。」
「どれ?」
当真は悔しそうな表情で、なかなか話してくれない。
「それは、
恋だ。」
「…こい?」
当真は無言で頷く。
こい、こい?恋?
「私、二宮さんに恋、してるの?」
口にした途端、顔中に熱が集まって見なくても自分の顔が赤いのが分かった。
自覚した途端、胸が締め付けられたように苦しくて、恥ずかしくて、でもどこか嬉しくて。
人を好きになる事がこんなにも幸せになるなんて知らなかった。