「ねえ、迅くん。今日一日私と付き合ってくれない?」
「…初めて話すのに意外と強引なんだね、苗字さん。」
「…迅くんは、そういうの気にしないかと思って。」
「まあ、そうだね。いいよ、付き合う。」
何になんて言わずに放課後制服のまま二人でいろんなとこに行って時間を潰した。
「今日、ボーダーはいいの?」
「今更だなあ。今日は非番だから、大丈夫。」
「そっか。…迅くん、何も聞かないんだね。」
「…んー、聞いて欲しいなら聞くけど。」
そう言って笑った迅くんの表情は全て知ってるみたいで、月明かりに照らされて光る瞳が綺麗だったのを覚えている。
「大人に、なりたい。」
「どうやって?」
「…こうやって、」
本当は家に帰りたくないだけだったのに、あまりに綺麗で真っ直ぐな瞳に吸い寄せられるみたいに、私は自分の唇を彼の唇に合わせた。
「…はは、大胆。」
「…嫌?」
人通りの少ない橋の下、まだ十七歳の男女がこんな事してるなんて誰も知らない。
迅くんが何か言う前に私は自分の唇で彼の口を塞ぐ。
何度も離してはくっつけてを繰り返していると、迅くんが私の唇を食べるみたいに吸ってくる。
「っん、」
さっきまでと比べ物にならないくらいの刺激に、上ずった声が漏れる。
だんだんとそれは激しくなって、唇から舌へと迫ってくる。
「んん、っあ、」
苦しくなって彼のシャツを掴むと、それに気づいたのか唇を離してくれた。
「っ、ハア、っは、」
「…大人になれた?」
どこか馬鹿にしたような笑みに悔しくって、迅くんを押し倒す。
「キスだけじゃ、大人になれないよ。」
「…じゃあ、どうしたいの。」
淡々と発される言葉にどんどん悔しさが増して、どうすればこの気持ちを押し殺せるのか、迷いに迷って口に出す。
「…何も考えられないくらい、めちゃくちゃにして。」
また私から唇を寄せて、さっきみたいにキスをして、そうしたらいつの間にか私が押し倒されていた。
お互いの唾液が絡まって厭らしく耳に響く。
息が出来なくてシャツを掴むと、迅くんは唇を離して私の制服に手をかける。
ゆっくり丁寧にボタンをとっていって、中途半端に制服を脱がして、下着をずらして私の胸に吸い付いた。
「…ん、」
ちゅぱちゅぱと音を立てて胸や腹に唇を寄せる。
くすぐったいような、気持ちがいいような変な感覚に身をよじらせた。
すると、吸い付くのをやめてスカートをめくった。
さっきから迅くんは一言も喋らなくて、学校で嵐山くんとよく話しているのにまるで別人のようだった。
静かに手を脚に這わせて、下の方から太ももまで撫であげる。
「ちょっと腰浮かして、」
「え、」
迅くんは制服の上着を脱ぎながらそう言って、私が言われたとおり腰を浮かすと自分の制服を下に敷いた。
「制服、汚れちゃうよ?」
「大人って、汚いんだよ。」
そう言って困ったように笑って、下着の上から私の秘部を優しく触る。
「あっ、」
思わず漏れた声に途端に恥ずかしくなって、手で口を抑える。
それを知ってか知らずか、だんだんと一定のスピードで指を動かされて気持ちよくなる。
「ん、あ、もう、やっ、」
私の余裕のない声に、迅くんは指を止めた。
快感が止んで、もどかしさに息が弾んでいると、迅くんも息が上がっていた。
よく見ると迅くんの股間にあるものは制服を押し上げていて、心無しか迅くんも苦しそうだ。
お互いに限界なのだろう。
「迅くんっ、それ、ちょうだい。」
私がそう言うと、彼の中で何かが崩れたのか、勢いよく制服のチャックを下げて、どこから出したのかコンドームを付けて、私の下着を半端に脱がしてあてがった。
「…、本当に、いいの?」
苦しそうに、そう言う迅くんに罪悪感を感じた。
「うん、いい、めちゃくちゃにしてっ、」
私がそう言うと勢いよく私の中に彼の硬くなったモノが入ってきて、少しだけ痛みを感じる。
「っつ、ん、んん、」
痛みを隠すために下唇を噛み、彼に抱きついて、顔が見られないようにする。
「っは、っはあ、ん、」
「ん、んん、んあっ、」
彼の腰の動きに合わせてだんだんと痛みが快感に変わって、甘い声が漏れ始めた。
一心不乱に腰を動かされる度に、奥の方に当たって痺れるような気持ちよさでいっぱいになる。
だんだん早くなる動きが一定の速さで維持され、何かがせり上がってくる。
「あ、っあ、ああっ!」
恥ずかしい声が出てしまうが、それを止める術など知らず、過度な快感に恐怖を感じる。
「や、っ、なんっか、こわっ、いぃ、」
「っ、ごめんっ、でも、だい、じょうぶっ、」
そう言って私の唇を塞がれるのと同時に私の快感が頂点に達して、その少しあとに私の中で彼が果てた。
二人ともゼーハー言いながら呼吸を何とか整えようとする。
私より先に呼吸を整えた迅くんは、自分の乱れていた格好を整えて、私の乱れていた格好も整えてくれた。
気恥ずかしくて、自分の顔を腕で隠していると、迅くんが口を開いた。
「…大人になれた?」
またそう聞いてきた。
どんな気持ちでそんな事を聞いてきたのだろうか。
酷く優しい声音に私はまた悔しくなって、少しだけ涙が零れた。