「チーム戦やろうぜ〜!」
そう言ってノックも無しに私の部屋へ入って来たのは、太刀川さんだった。
「惜しいね〜、あとちょっと早かったら着替えの真っ最中だったよー。」
呑気にそう言うが、内心バクバクである。
覗かれなくて良かった。
「私がチーム戦嫌いなの知ってるくせに、なんで誘いに来たの?」
「この前忍田さんと手合わせしてんのが羨ましかったから。俺も名前と戦りてえ。」
ニッと笑って私の腕を引いてブースへと連れ去る。
私まだ宿題やってないんだけどな。
ブースへ行くと出水くんに二宮さん、佐鳥と東さんが居た。
「この面子だと私孤月じゃん。」
「いいじゃん、忍田さんとも孤月でやってたろ。」
あれよあれよとチーム分けをすることになり、くじで平等に決めたはずなのに凄い戦力が偏った。
「太刀川さんと東さんが一緒ってだけでやばいのに、そこに出水くんみたいな才能マンが入ったら勝ち確じゃん!決め直しを要求します〜!」
「おい、佐鳥は兎も角俺がいるのに負けが決まったみたいに言うんじゃねえよ。」
「えっ、佐鳥戦力外ですか?」
私が騒ぎ出したせいで二宮さんの何気ない一言が佐鳥を傷つけてしまった。
どんまい、佐鳥。
「いや、二宮と名前がいる時点で相当強いぞ。そこに佐鳥もいるからほぼ戦力は同じだ。」
「お、東さんがそう言うならそういう事だな。始めるぞ。」
「えっ、私の事買い被りすぎじゃないですか?東さ〜ん!」
私の声も虚しく、チーム分けはこれで決定らしい。本音を言うと東さんを敵に回すのが嫌だったのだが。
「お前、サイドエフェクトあんだから狙撃は分かるだろ。」
「えっ、名前ちゃん狙撃分かるの!?何それ、強化触覚って完全に狙撃手殺しなサイドエフェクトじゃん!」
佐鳥が何か言っているが、それを無視して二宮さんに答える。
「東さんの狙撃は正確な上に私の動きをよく知ってるから、避けた上で当てられそうで怖いんですよ。」
なるほど、と二宮さんが納得していると転送が始まり、戦闘開始の合図が鳴った。
「はあ、ここじゃ射線通りまくりじゃん。」
転送位置が開けた場所だったので、とりあえず二宮さんとの合流を目指す。
サイドエフェクトで人が居る位置をある程度把握する。
「…太刀川さんは闘志を隠せないのかな。位置丸わかりなんだけど。」
空気中に異様なまでの闘る気が漂ってる位置が恐らく太刀川さんの居る位置だろう。
その位置とは真反対に二宮さんっぽい熱源がある位置へと向かう。
パシュッ、パシュッ
「っ、やば、もう見つかった!」
空気中で弾が移動するのが分かり、東さんに狙撃されたのが分かった。
「…ま、じかよ。」
『トリオン体活動限界、緊急脱出』
一発避けた所にもう一発弾が撃ち込まれた。
まるで私がそこに避ける事を知っていたかのように二発続けて撃ったのだろう。
私はその弾に撃ち抜かれて落ちた。
「…すみません、真っ先に落とされました。」
私が落とされた後、佐鳥が落とされ、二宮さんが頑張って出水くんを落としたが、その直後に東さんに落とされた。
太刀川さんは私と闘れなくて拗ねていたが、真っ先に落とされてさっきから二宮さんに睨まれている私にはどうでもよかった。
「…東さんは、実はサイドエフェクト持ってるんですか?」
「えっ、それは無いはずがけど。」
「はっ、自分が落とされたのを東さんのせいにしようとするな。お前が未熟なんだよ。」
「うう、二宮さんには話振ってないのに…。」
二宮さんはまだ私の事を睨んでいる。佐鳥だって出水くんに落とされてたのに。
「なんで、東さんは私があっちに避けるって分かったんですか?いつも避ける方とは逆の方に避けたつもりだったのに。」
「チーム決めの時点で名前が俺を警戒してたからかな?」
「そんな〜、私狙撃で落ちたのなんて初めてですよ。むしろ狙撃が当たったのも。」
私の発言に佐鳥は驚愕して、やっぱり狙撃手殺しのサイドエフェクトだー!なんて言っていたが、東さんは心底嬉しそうに私の頭をぽんぽん叩いた。
「名前を狙撃で落とせるのは、俺だけって事だな。」
「…次は当たりませんよ。、多分。」
そうか、なんて言って笑う東さんはとてもかっこよくて、危うく心まで撃ち抜かれるところだった。