私は罪には問われなかった。
警察の人も優しくよく話してくれたね。と言ってくれたけれど、何故か怖くて忍田さんの後ろに隠れてしまった。
私の保護者がいないので、とりあえず忍田さんが仮の身元引受け人になってくれた。
私は、婦警さんに病院に送って貰った。
忍田さんはあの怪物を倒しに行ってしまった。
「名前ちゃんは、初潮は来てる?」
「…?はい、」
「…そう、じゃあ検査も受けないとね。」
病院に行く途中、婦警さんとの会話は割と盛り上がったけど、その話が終わるとどちらも口を開けなかった。
病院に着くと、人で溢れかえっていた。婦警さんが色々手続きをしてくれて、診察を待つことになった。
人の多さが怪物の襲撃の被害を物語っていた。
ロビーに取り付けられたテレビでは、怪物の事とそれを収拾したボーダーという団体の事ばかり放送していた。
テレビを眺めていると、ふと視界に見知った顔を見つけた。
あの人はたしか、香取さんだ。
同じ小学校の子だ。たしか、染井さんと仲良しの…
「苗字さん、診察室までお越しください。」
タイミングよく診察に呼ばれてしまった。
一週間後、忍田さんが迎えに来た。
「やあ、遅くなってしまってすまない。元気だったかい?」
相変わらず優しい笑顔だ。
「こんにちは!元気です。どこも悪くないのに入院させてもらってて、申し訳ないくらい!」
この一週間、特別措置として病院に住んでいた。
というのも、診察の結果妊娠はしていなかったけど、男性恐怖症になってしまったらしいのだ。
そのリハビリを行う名目で入院させてもらっていた。
「もう少しで、我々の基地が完成するんだ。良かったら、そこにすまないか?」
忍田さんはそう言った。
我々というのはあの怪物、もとい近界民を倒す集団、ボーダーの事だろう。
「私、戦えないですよ。それに男性恐怖症ってやつだし。」
「最初は皆そうだ。それに無理に戦う必要は無い。私は、正式に君の身元引受け人になろうと思うんだ。」
「いいんですか?」
「ああ。」
忍田さんはまた、優しい手つきで私の頭を撫でてくれた。
その日から、私の新しい帰る場所が出来た。