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アカデミーに入学してから二年が経過し、私は兄達が卒業したのと同じ8歳になった。未だ卒業の兆しはなく、相変わらず家では下の兄やキクくんと修行しながら元気にアカデミーへ通っている。
同期から卒業者は出ないまま、授業は多少レベルアップした。座学は歴史から忍術の原理・チャクラについて、さらには簡単な術、所謂教科書忍術と言われるものの印の組み方など専門性が増し、鬼ごっこやら達磨さんが転んだやら完全にお遊戯だった体育もいつの間にか“演習”に名前が変わって、本物のクナイや手裏剣を扱うようになった。
実際の忍者に比べれば当然まだまだ緩い部分もあるがこれはもう現代で受けていたような小学生への授業じゃない、忍者を育てるための授業だ。

忍者が扱う術は大きく分けて忍術・体術・幻術の三つ。
細かく言えば他に呪印術、封印術、禁術、血継限界等もあるが、その辺は会得方法が特殊で扱える人が限られるものなので授業では大して触れることなく、教科書の端におまけみたいな説明が載っているだけだった。
その3つの中でもアカデミーでは忍術・体術を主としていて、幻術は殆ど習わない。私は普段兄やキクくんと修行をしているため他の子より体力があり、体術は結構出来るが、難しいのは忍術。
元17歳の知識と理解力があるのを良いことに教科書忍術は授業で習うより先に一通り覚え使えるようになった。初めて分身の術が出来た時は感動した。
だが、如何せん印を組むのが遅い。こんなスピードで印を組んでいたら戦場じゃ通用しないだろう。

印って漫画だと演出の都合なのか最終的には誰も組んでなかった気がするけど、ここは一応“現実”なので印を組まなきゃ術は使えない。
しかし術の難易度が上がるにつれ印は複雑になっていく。これはもう練習あるのみなんだろうか。丑の印とかこれどうなってんの難しすぎるだろ。
けれど兄に聞いた話では、上忍にもなると目で追えない速さで印を組む人や極稀に片手でやっちゃう人もいるらしい。本当に?その人たち本当に丑の印とかやってる?

そんなわけで印の組み方が当面の課題となった。兄も驚くくらい私はしっかりチャクラが練れているらしいから今のままでも形にはなっているが、やはり印が早く正確に出来なければ戦場では意味がない。相手は待ってくれないのだ。
ちなみにチャクラ紙で確認したら私は風の性質変化を持っていたので、風遁忍術を極めることとなった。木ノ葉で風は珍しいが、兄達も同じなのでうちの家系はみんな風なんだろう。
とりあえず今は印を早く組むことと風遁忍術の知識を得ることを第一に修行をしているが、私はチャクラコントロールが結構上手いようなので兄に内緒でこっそりアレの練習もやりたいと思う。


「行くってばよ!超高等忍術・螺旋丸!」

手のひらにチャクラを集め、回転をかけようとする。……………が、どうもうまくいかない。
だ、ダメだってばよ……私がまだ子供だからか、それともナルトとの差か。
確かにナルトは主人公らしくチャクラ量が異常に多い特殊設定だが、螺旋丸は影分身の術を併用し負担を軽減した時点で、正直当初より大分習得難易度が下がったような気がするので頑張れば私にも出来るんじゃないかな?と思ったんだけど……。あっ、でも私影分身使えない!
うーん、まあ、とにかく片手にチャクラを集められれば良いわけで、私は多分チャクラコントロールだけなら今の時点でもナルト(初期)より上手いはずだから、影分身はなくてもこのまま死ぬ気でやれば派生系は無理だとしても螺旋丸くらいは使えるはず。ただ道のりは長そうだ。
普段からあまり人が来ない、秘密特訓にはうってつけの森の中で息をつく。

その一週間後、第三次忍界大戦が終結し、戦場に出ていた上の兄が三年ぶりに帰ってきた。
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