古のフェリクシア

#09.黒の悪夢


 何もない、ただ真っ暗な空間にフィラはいた。あまりにも暗くて自分の姿も見えなくて、目を閉じているのか開けているのか分からない。臭いも温度も感覚もない。動かそうとする四肢が反応しない。足が地面に付いていない。何も認識できない。自分の存在さえ分からなくなりそうな場所だ。声を出そうにも、口さえ認識できなかった。
 ――なんだろう。
 夢を見ているのだと認識しても、気がおかしくなりそうだ。言いようのない恐怖がまとわりついてくる。いや、本当にフィラは「見ている」のだろうか。つい先ほどまで、何かの夢を見ていたのは間違いないのだ。
 そう、フィラは夢を見ていた。望郷の念を掻き立てる、あの青い夢だ。はっきりと覚えているわけではないが、フィラの中に生まれた「帰りたい」という想いが何よりの証だ。そして今ならば、あの夢にある場所こそがフェリクシアなのだと納得がいく。自分が女王ノアであるとは信じられないけれど、あの夢は真実だろう。そう、青い夢を見ていたのだ。そのはずなのに、今は何もない。どこかも分からない。時間も空間さえも、何も認識できない。
 ――私は本当にいるのだろうか。存在しているのだろうか。怖い。恐ろしい。目覚めたい。でもどうしたらいい?
 焦りと苛立ちが更なる不安を掻き立てる。どうなるのだろうか。もしかしてこれは、夢を見ているのではなく、死んだということなのだろうか。一体いつ、どのタイミングで。分からない、分からない……。ここからいつもの場所に戻ることができるのだろうか。そもそも「フィラ」という個人は存在していたのだろうか。分からない、分からない……。

★☆★☆

 フィラを背負ったディオは、真っ先に診療所を探した。港町なのだから、それくらいあるだろうと思ってのことだ。しかしやっとの思いで見つけた診療所は、院長不在で閉まっていた。
「ちっ、こんな時に限って」
「診療所が駄目なら宿屋を当たろう。安定したところに寝かせないと」
 苛立ちを隠そうともしないディオを宥めようとしているのか、メリアがゆっくりと声をかけた。
「分かってる」
「何を苛ついているんだ、ディオ? 宿屋であんたも落ち着きな」
「分かってるよ」
 メリアの言うことは分かる。充分に分かっているつもりだ。ここで苛ついたところで、フィラが目覚めるわけではない。ディオが直接フィラに目覚めるような何かをしていないのだから、目覚めようがない。だが思い返すほどに腹が立つ。なぜあの時、青い男を警戒しなかったのか。フィラを求める彼であれば、確かに生命を奪うような真似はしないだろう。目的が何であれ、彼女の存在によって成り立つのであればなおさらだ。だからといって、何もしないなどとなぜ思えただろう。フィラを手に入れるためなら、その母親だろうがなんだろうが、容赦なく残酷に殺せる男だとういのに。
 近くの簡素な宿に部屋を取り、フィラを寝かせた。あれだけディオの背に揺られても起きなかった。彼女は規則的で穏やかな寝息を立てているし、苦悶の表情を浮かべているわけではない。それなのに、なぜ目覚めないのか。何に引きとめられているというのだろうか。
「ちょっと、頭冷やしてくる」
「ああ、そうしてくれ。気が立った大男と一緒じゃ、あたしも気が気じゃないから」
 メリアは苦笑いを浮かべていた。彼女なりに気を遣っているのかもしれない。ディオは彼女を振り返ったり、何か反応するでもなく、部屋を出て行った。

 木造の建物の多い港町では、アデーネからの連絡船が入港したことによる賑わいが落ち着いてきていた。バンディ大陸には主要な港が三つある。ひとつはユリヤ大陸のアデーネと繋がるこのソフィアで、ひとつはソフィアより北西に位置する、ネストリア大陸と繋がるジルバ、そしてもうひとつが大陸の遙か西にあり、ジンガー大陸最南端の公国オレファと繋がるグランである。もっとも交流が盛んなのはグランだが、ユリヤ大陸には大都市セレストがあるし、ネストリア大陸も近年人々の進出が始まっている。もちろん、ディオたちの目的地はネストリア大陸にあるメリアの故郷なので、北西のジルバである。
 ただ、このままジルバに行くわけにもいかないだろう。己の足で立って歩けない人物は足手まといにしかならない。だからと言ってここで見捨てるならば、ネストリアに行く意味もないし、何より彼女の母親との約束を破ることになる。それだけは避けなければならない。ディオには死体を担いで行くつもりなど毛頭ないのだ。
 小洒落た街並みを見回しながら、ディオは診療所を、医師を、呪術の知識のある人間を捜したけれど、それらしいものはやはり見当たらなかった。そんなディオの隣を、ディオの身長より少し低い程度の鉄の箱が通り抜ける。あれはなんだ。気になって眺めていた。その鉄の箱がディオの前で停まり、扉らしきものが開いて中から人が出てきた。上下の繋がった黒い作業着を着ているその男は、ディオの顔をまじまじと見て、目を見開いた。
「もしかしてあんた、ディオか?」
 テノールの声だった。ディオの燃えるような赤い髪は珍しいし、自分を知っている人は少なくないだろう。そしてディオ自身、目の前の栗毛の男を知っているような気がしたが、思い出せない。
「なんだテメェ」
「俺か? 俺は……イーゴリだよ、忘れたか?」
 へらへらしている人の良さそうなその男の名を、ディオは聞いたことがなかった。それに、彼が偽名を名乗ったことはディオでなくてもすぐに分かっただろう。なぜ嘘を吐いたのか、なぜ嘘を吐く必要があるのか――ただその一点において、イーゴリと名乗った男を警戒するには充分だった。
「そうか。この俺に何か用でもあるのか?」
「いや、用ってほどでもないんだけど、困ってそうだったから、できたら力になるよ」
「てめぇに払う金はねぇぞ」
「いやいや、ぼったくろうなんて、そういうつもりはないよ。下心がないと言ったら嘘になるかもしれないが、ディオに不易になることはしない。金もいらない、約束するから」
 そのように言われたところで、はいそうですかとすぐに信用するわけにはいかない。イーゴリと名乗った彼にとってのメリットが見えない今、彼の口車に乗るのは賢い選択とは言えないだろう。しかし、フィラのことで途方に暮れているのもまた現実である。そこで、彼の目的は分からないまでも、彼がディオたちにとって最も驚異たりうる人物ではないということを確かめることにした。
「そうか。あんた、青い男を知っているか?」
「青い男?」
 もしも知っていれば、何らかの反応を示すかもしれない。知っていたとしても、何事もなかったかのように即答できるかもしれない。だが、彼の返答にはタイムラグがあった。
「うーん……知らないな」
 ディオはとりあえず、まずはリアルなその間を信じることにした。
「分かった。連れが昨日寝てから目覚めねぇ。だから医者を捜してるが、やっと見つけた診療所が休診日だった。あんたは医者や呪術師には見えねぇが、それでも役に立つのか?」
「俺は確かに医者でも呪術師でもないが、お安いご用だ。ちなみに目覚めないというと?」
「特に体調不良とか、何か大きなショックを受けるような出来事があったわけじゃねぇ。いや、性格には、ショックなこと自体は何日か前になる。それはあいつなりに解決したらしいし、おそらく全くの無関係とは言えないまでも、要因にはなりえないだろう。だが、揺すっても叩いても呼びかけても、呪いを使っても起きなかった。見た感じ、特に変わった様子もねぇ。別の連れによると、何か強い呪いをかけられた可能性があるって話だ。だから医者を捜している。目覚めないのを確認したのは今朝だから、昨夜から眠っていることになる」
 ディオの話を聞きながら、イーゴリは腕を組み、左手を顎に当てた。
「なるほど。強い呪いなら、治せそうな人に心当たりがある。いろいろな呪いを使って病気や怪我をことごとく治した風医師がいてな」
「今ここにいるのか。この町に」
「いや、残念ながら一週間前に経ったよ」
 そんなことだろうとは思ったが、やはり腹が立ったので、ディオははっきりと聞こえるように舌打ちをした。
「なんだ、期待を持たせやがって」
「だけど心配はいらない。まだバンディにいるはずなんだ。ここから南南西にユーレンって村があって、そこに向かった。陸路なら救いはある」
「それで、馬もいねぇこの町から、今もいるかどうか分からねぇユーレンって村に、その風医師を尋ねて行けってか。その間に俺の連れは死んじまうな」
「だから心配いらないって。そのユーレン村には、歩いて一週間かかるんだ、だからつまり、今ちょうどそこにいるんだよ」
 この男は言葉を分かっているのか。同じ言葉を喋りながら、ディオは心配になってきた。
「だから、一週間かけて俺らもその村へ行って、その風医師はいねぇかもしれねぇだろ」
「大丈夫だ。俺の紋章自動車を使えば、丸一日でユーレンに行ける。それなら、風医師はきっとまだユーレンにいる。人一人抱えて歩く心配もいらないんだ」
 イーゴリが自分の乗っていた鉄の箱に手を置く。なるほど、紋章技術を利用した自動車だったようだ。それならばディオも色々と納得ができた。
「なるほど、紋章自動車ねぇ。で、いくら払えばいい? さんざん希望を持たせておいて、法外な金を要求されたとあっちゃあ、本末転倒だからな」
「最初に言ったとおり、お金ならいらない。その代わりにとんでもないことをさせるつもりもない。俺のことは好きに使ってくれ」
 何の見返りもいらないという言葉は果てしなく胡散臭いが、屈託のないその笑顔に、確かに胡散臭さはなかった。
「いいだろう」
「ありがとう」
「あ? 恩を押し売りしといて礼を言うのがてめぇの流儀なのか?」
「はは、まあ、そういうことになるのかな。でも、突然のことだったけど受けてくれたじゃないか、ディオ」
「こっちだって一刻を争うんだ、クソどうでもいい話する暇はねぇんだよ」
「もっともだ。ええと、その連れの人はどこに?」
「宿屋だよ。もう一人いる」
「問題ない。さ、乗って」
 ディオはイーゴリの指示通り、鉄の箱もとい紋章自動車に乗り込んだ。椅子は固いが、足を使わずに早く目的地へ連れて行ってくれるのだから問題にはならないだろう。
 宿屋でフィラとメリアを拾い、すぐさま町を出た。
「まさかこれ、紋章自動車ってやつ? うわぁ、いっぱい見たけど、実際乗るのは初めてだよ! これ、ものすごく高いんじゃないのかい?」
 メリアは非常に興奮していた。恐らく出会ってから初めて見る喜びようである。
「まあ、そうだな。だからこいつを使った運搬業なんかをやっているんだ」
 自動車を運転しながら、イーゴリは苦笑した。イーゴリの左腕には、血液を機械に供給するためのバンドが付いていた。

 紋章自動車は揺れた。揺れに揺れた。道が悪いのも然ることながら、山を越えるために曲がりくねった道を行かねばならない。しかも、高価なためにあまり普及していない紋章自動車のために整備されているわけではない山道だ。乗り物酔いとは無縁だと思っていたディオだがこれが流石に堪え、日が暮れた頃に一度盛大に吐いた。だが、早いのは確かで、車窓の景色は流れるように去っていく。その代償が乗り物酔いと、痛くなった尻である。ずっと固い座席に座っていれば痛くなるのも必然だ。それにガタッと大きく揺れる度に、その固い座席に思惟を打ちつけていれば、痛くならないはずがない。そのような悪環境でも目覚めないフィラを見て、もしあの青い男が何かしたのでなければ、かなりの大物であると思うところだ。
 そんな酷い道を丸一日走り、夜が明け、ようやく道が開けたというところで、気が付くと背の低い木造の民家が立ち並ぶところにいた。たどり着いた小さくて静かな農村、そこがユーレン村だ。フィラを背負ったディオは、車を降りたイーゴリについて行く。村の一番大きな建物――公民館のようなところに連れられた。そこに、白い服を着た女性がいた。
「やあ、レーナさん」
 イーゴリが声をかけ、女性が振り返った。女性はちょうど休息を取っているようである。茶色い猫気は清潔にまとめ、ディオと同じ黄土色の目が優しい光を湛えている。ディは寝台にフィラをゆっくりと降ろした。その横で妙齢の女性は、イーゴリを認めるや否や、華やかなな笑顔をぱっと浮かべた。
「あら、タルナ! どうしたの、こんなところまで?」
 妙齢の女性はとても嬉しそうにイーゴリの手を取った。そう、イーゴリの手を取った――違う名前を口にして。
「タルナ、だと……?」
 タルナ――それはディオにとって忘れ難い、いや、忘れ得ない名前だ。耳にするだけで、思い出すだけで、腹の底から憎しみがふつふつとわき上がる。ディオは衝動のままにタルナを殴り倒すと、仰向けのタルナに馬乗りになり、何度も何度もその顔に拳を打ち込んだ。茶髪の女性が悲鳴を上げる。
「ディオ、ちょっとあんた何やってんの!?」
 遅れて公民館に入ったメリアがディオの両手首を掴むも、メリアでは力が足りず、勢いが弱まる程度に留まった。しかしそれだけでも、ディオの衝動を和らげるには効果的だった。タルナに向けて振り下ろした拳を地面に落としたのを最後に、ディオの拳は止まった。しかし動悸と呼吸は荒ぶるままだ。
「なんでてめぇが、てめぇが今さら、俺の前に出てきやがったんだ。てめぇが!」
「何よ、何があったんだ? 落ち着いて説明してくれないと、分からないよ」
 困惑顔のメリアに、タルナが手の平で鼻血を拭い、受けたダメージに痙攣しながら答えた。
「い、いいんだ、お姉さん。俺は、この拳も、彼の罵詈雑言も、ちゃんと受けなければ、ならないから」
「なんでだよ……」
 どうすればいいのか分からず右往左往しているメリアをよそに、ディオは立ち上がりタルナを見下ろした。
「この女に助けられたな。殺されなかっただけマシだと思え」
「は、はは。言い返せないな」
 ディオは舌を鳴らし、下唇を噛んで、公民館を出た。メリアや風医師の女がこの憎らしい男に応急手当を施すのだろう。それはいいけれど、この男が市政でのうのうと生きている、その事実の方が癇に障った。

 初めにイーゴリと名乗ったその男は、ディオがどんな気持ちで生きているかを想像したからこそ偽名をつかい、しかし本名が知られることを想定していたからこそ、タルナという名前を否定しなかったのだろう。少し頭の冷えたディオはその考えに至った。だが、それとディオの気持ちとは別だ。なぜならタルナは、ディオにとって両親の敵――両親を殺害した浮浪者こそ、タルナなのだ。もしかしたら、タルナはあの時とは全くの別人のように心を入れ替えたのかもしれない。今では真面目に働いているのかもしれない。あの時のことを強く後悔しているのかもしれない。だから黙ってディオの拳を受けたのかもしれない。それは人の良さそうな顔からも容易に想像できる。だからといって、あの時ディオの両親を刺し殺したという事実は変わらない。それがディオの怒りを抑える理由にはなり得ないのだ。
 あの日、ディオ少年はいつものように家を出て、施設へ赴き、他の子どもたちと一緒に勉強をしていた。あの施設にいた子どもたちが、ディオを特別扱いしていたのか、影で嫌っていたのか、はたまたそのようなことなど一切気にもとめていなかったのかは、今となっては定かではない。そんな日常の中で帰宅したディオを待っていたのは、温かな日常などではなかった。二人は真っ白な顔をして、血だまりの中に倒れていた。小さなディオは瞬時に理解した。それは確かに、朝いつものようにディオを見送った優しい両親と同じもので、横たわっている二つの白い身体は、朝の状態とは全く違うものなのだと。使用人が泣きじゃくりながら、お二人は殺されたのです、もうこの世にはおられないのですとディオ少年に告げた。ディオ少年は、何の前触れもなく天涯孤独の身になったのだ。
 その後、両親を殺した人はすぐに捕まったし、疲れきってやつれた顔も、名前も覚えている。いや、幼いながらに決して忘れたりしないと心に誓ったのだ。今はディオも他の浮浪者たちに追われ、歯が立つどころの話ではないだろう。だがいつか、俺はここへ戻ってくる。そして必ず、必ずやあの男を捜し出す! どこへ逃げようとも、姿を変えようとも、必ず捜し出し、そしてこの手で八つ裂きにしてやる――!! ジンガー大陸の故郷ワシールを追われたディオ少年は、燃えたぎる憎しみを腹の底に抱えながら放浪した。
 青年ディオは、隣にタルナの気配を認め、目だけをそちらに向けた。いつもよりも低い声で責め立てる。
「テメェどういうつもりだ? 今さら償いのつもりか? それとも、俺の苦しむ姿を見て嘲うために近づいたのか? あるいは、キリウに何か吹き込まれたか?」
「ディオ」
「黙れ。気安く名前を呼ぶな」
「すまない。だが、なんと呼べばいい? 名前が呼べないと不便だ」
「うるせぇ、知るか」
「なあディオ、俺は言い訳なんか一切しないよ。文句があるなら言えばいい。お前にはその権利があるし、俺には受ける義務がある」
 正しい。真実かどうかはともかく、彼の言うことは全く以て正しい。ディオ黙っていた。
「分かってる。信じられないのは俺だよな。信じろと、俺が言えるわけがないのも分かってるさ。俺にその資格はない。お前の言う〈青い男〉だか〈キリウ〉だかのことを知らないと言ったところで、嘘くさいよな。だからディオ、これから先、俺が少しでも裏切るような素振りを見せたら、お前のその剣で容赦なく切り捨てろ。これでどうだ」
「ディオ」
 後ろから扉が開く音と共にメリアの声が耳に入った。ずっと聞いていたのだろうか。
「この人はここまで連れてきてくれたんだよ。お金を請求しなかったのは変だと思ったけど、これまでイーゴリ……じゃなかった、タルナの言葉に嘘はなかった。だってここには、ちゃんとその風医師がいる。車は一昼夜でここにたどり着いたよ。ねぇ、ディオ」
 彼女の言葉には同意しかない。本当はディオにも分かっていたけれど、認めたくなかった。だが彼女が言葉にしたことで、不本意ながらも認めざるを得ない。ディオは短く息を吐き、タルナをキッと睨みつけた。
「分かったよ、メリア。おいタルナ、貴様その言葉に嘘はねぇだろうな」
「この期に及んで嘘を吐く度胸はないね」
「はっ、いちいち気に障る野郎だ。いいだろう、信用してやる。ただし、フィラが目覚めなかった場合でももう一度容赦なく殴る。いや、触りたくもねぇから斬り殺す。いいな」
「それはただの八つ当たりだと思うが、いいだろう」
 本当に神経を逆なでする男だ――ディオはタルナに聞こえるよう、大きく舌打ちをした。そう、彼の言葉は間違ってはいない。後から考えてみればキリウが怪しい行動をしていた、などということは結果論であり、まさにそのときに気が付くことができなかった時点で無意味だ。なんにせよ、今タルナの近くにいることは精神衛生上よくないので、ディオは黙ってその場を離れた。



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