01 いつもよりいい朝〈1〉

 


 午前6時、カーテンの隙間からさしこむ光りに目が覚めた。
 体を起こして、欠伸をして、それからいつもの日課、写真の中の両親に朝の挨拶。

「お父さんお母さん、おはよう」

 普段から仕事がいそがしくってあんまり家にそろったことがなかったお父さんとお母さん。
 それでもわたしは優しくて素敵な両親が大好き。
海外のどんな国にいたっていつもお手紙をくれるし。

 だけどちょっと寂しいっていうのは2人には内緒。
 きっと心配しちゃうから。

 わたしは、家にいてお父さんとお母さんを思い出して寂しくなるのが嫌で、いまは一人暮らしをしている。
 つい最近この友枝町に引っ越してきて、どこに何があるのかもわからないまま数日が過ぎてしまった。
 荷物の整理をしていたら、転入の当日まで学校までの転入の手続きをしにいったときの道のりを数回と、自分の家の近くしか出歩かなかった。

「……あんまり寝られなかったな……」

 制服に着替えて朝食をすませると、まだ学校に行くには早い時間だった。
 でもまあ早くてもいいかなと思って靴を履いて、玄関の鏡で顔を見ると、いつもよりいい表情ができることにほっとした。

 今日の占い1位だったからいいことがあるかもしれない、なんて淡い期待をする。

 それから誰もいない部屋に向かって言った。


「行ってきます」




いつもよりいい朝
(テレビの星占いをみるのが日課)