23話


デブは憂いもの辛いもの

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無事に前話のタイトルは回収しました

結局のところ用意されたゆりかごでは眠れなかったので、あなたの腕の中で眠りたいということです

A
前話では敢えて最後のタケミチくんとの通話の内容は曖昧にしていました。リコにとっては取るに足りない内容で、結局重要だったのはタケミチくんが過去を変えると誓ってくれたことだけです。その言葉が彼女たちにとっての許しでした

B
いつだったか話したのですが、竜胆くんは「リコが約束を破ったから自分も約束を破る。だからせめて死んだ後は叱りに来て。そばにいて」と考える人として書いているのですが、リコはそんな所まで考えが至りません。そこに至る前に「竜胆くんが一緒にいてくれないならもう全部ダメだ」になってしまいます

罪には罰が与えられると常々本人が語っており座右の銘もそれが含まれている通り、自分の犯した罪には罰が与えられるべきで、二度と竜胆くんに触れることは出来ないと覚悟を持って死んでいます。「せめてタケミっちの変えてくれるその世界ではあなたの腕の中で眠りについて、目覚めたい」ということです

C
全身に竜胆の花を彫ったのはかなり早い時期です。望んでいることは「ひとりにしないで」「竜胆くんのそばにいたい」なので、花でもなんでもいいから縋りたいと思っての行動でしたが結果的に自分を苦しめています。リコが仕切りにくり返していた「許しを与えて欲しい」にも意味があります

D
蘭ちゃんが二人のお世話を続けていたのは「弟の愛した女で親友の妹で自分にとっても妹みたいなものだから」「その妹の弟だから」という考えが始まりですが、次第に「この二人を置いて死ねない」「この二人は自分を置いて死なない」といった共依存的思考に陥っています。擬似さんきょうだいです