「名前ちゃーん!そろそろ起きなよー」
「んんん……あい…」
「もー、ご飯出来てるって」

名前ちゃんは朝が弱い。
今まではモーニングコールをしたりしていたが、一緒に暮らすようになってからは、目覚まし時計係と料理は俺様の日課になった。
初めの頃は寝ぼけた顔を見られたくないという理由ですぐに起きてくれていた名前ちゃんも、同棲生活2年目にもなると寝ぼけた顔以上の姿をたくさん見られているせいで目覚めの悪さが増していった。
普通なら愛想を尽かすところかもしれないが、俺様はそんな心を許してくれている名前ちゃんにベタ惚れで。
でもそれは名前ちゃんもきっと一緒のはずだ。

「俺様の作ったご飯、食べてくんないの?」
「ん……食べる……顔洗ってくる…」
「はいよく起きれました!偉いねー」

褒めながら頭を撫でてやると、名前ちゃんは寝ぼけながらも俺様に抱きついてくるのがすごく可愛くて、これのために朝起こすのを続けているところも正直あった。

「んん〜〜〜体痛い!佐助おはよ!」
「はい、これ名前ちゃんのご飯ね」
「やったー!鮭だー!いただきまーす!」
「食べやすいようにもうほぐしてあるから」
「へへ、佐助ありがとうね」

そう言いながら俺様の作ったご飯を美味しそうに食べる名前ちゃんが俺様は世界で一番大好きだ。

「ごちそうさまでした」

名前ちゃんが化粧をして着替えを済ませている間に、今日も綺麗になくなったお皿を洗う。自分で作ったご飯を美味しそうに全部平らげてくれることがこんなに嬉しいなんて、名前ちゃんと住んでいなかったら気付くことはなかったかもしれない。


「佐助、私そろそろ出るね」
「ん、俺様ももう出るよ」
「じゃあ駅まで一緒に行こ」

戸締りの確認をし、忘れ物がないか2人で確認し合い、鍵を閉めて家を出る。名前ちゃんのカバンを持ち、ついでにゴミ捨てもして、駅まで歩いた。
話す内容は今日の晩ご飯のメニューと、帰宅時間。何を作っても喜んでくれる名前ちゃんをとびっきり喜ばせるのが俺様は好きで仕方がない。2人でこれがいい、あれがいいと言いながら歩いているとあっという間に駅に着いてしまった。


「行ってくるね、佐助も頑張ってね」
「名前ちゃんもね。晩ご飯、楽しみにしてて」

ああ、今日も素敵な1日が始まった!


尽くす系男子