アーサー
私たちは孤児院で育った。『騎士になる』なんて言い残して、アーサーとモルドレッドは出ていってしまったけれど。きっと直ぐに帰ってくるに違いないんだわ。夢やぶれて帰ってくることがあっても迎えてあげなきゃ。だって私たちは家族なんだもの。
なんて無自覚な驕りには、正しく天罰が与えられるのだと思い知った。久しぶりの帰郷を果たしたアーサーは、背丈も体つきも私の記憶の中とはまったく違う。都での見知らぬ出来事を楽しそうに話す姿に、目がくらむほどに頭が痛くなる。これは誰なの。ねえアーサー、強がりで痩せっぽちで勇敢だったアーサー。私のアーサー。
そうして私は思い至りました。あ、あの日のアーサーはもう帰ってこないんだと。私たちはもう、あの日の続きから初めていくことなんて出来やしないんだと。愚かな私は、そのときになってようやく気がついたのです。