「!!」

気付いたときには体が動いていた。咄嗟に彼を庇うように間に割って入った私の背中めがけて、躊躇いなく刀が振り下ろされた。舳丸くんの目が見開かれる。

「日向ッ!!」

前のめりに倒れこみそうになる私の体を舳丸くんが支えてくれた。背中が燃えるように熱い。呼吸するたび激痛が走って、息がうまくできない。なんとか片膝をついて態勢を保つけど、あまりの痛みに意識が遠のきかける。

「ッ…は…ッ!!」
「しっかりしろッ日向!」

必死で声をかける舳丸くん、その頬からは鮮血が流れている。ああ、せっかくの男前が、なんて場違いな顔を考えている間にも、背後から退け!と罵声が浴びせられる。それと同時に斬りつけられた背を蹴飛ばされ、舳丸くんごと地面に倒れ込んだ。下敷きになった舳丸くん、体勢を立て直そうとするけどうまくいかない。背後に足音が迫る。もう一度退け!と言われたけど、誰が退くものか。息を詰めて力の入らない腕をなんとか動かし、舳丸くんを抱きしめる。舳丸くんはまさに手負いの獣といった様子で、殺気を振りまきながらと背後の浪人を威嚇している。ああ、どうすれば。



- 31 -

*前次#


ページ:



ALICE+