浮気
ずっと待ってたのよあの子。馬鹿よね。
眠っている。頬は赤い。呼吸も浅い。時折苦しそうに呻いている。
するりと背に伸ばされた掌に目を瞑る。
「いいのよ、夢にしても」
甘い声が囁きかけるが、その声を引き金に、女の腕を引いて引き倒す。そのまま首筋から胸元まで唇を落としていけばまた嬌声が上がり。それに自分自身熱が高まっていくのは明らかだった。
「わたしじゃ、だめだった?」
「日向」
「言って…、言ってくれれば、すぐ、離れたのに」
「そうじゃない、日向」
「わざわざ、なんでこんな……」
「ちがう、日向、話を」
わかれよう
言われた言葉の意味がわからなかった。日向の口から出た言葉は全くの予想外。日向がそんなこと言うはずないと、どこまでも許してくれるとそう思っていた。俺がいなければ何もできない、一緒にいてくれと泣いて縋っていたくせに。
「嘘だろ、なあ」
「離して、いやだ」
「嘘だって言えよ」
腕を掴んで引き寄せる。