椿時雨






「見てるよ」

ずっと。見ていたよ。初優勝も、防衛戦もずっと。君がどこを見ているのか、何を考えているのか、ずっと見ていたんだよ。

「だから、知ってるよ。あの雨の日、わたしを助けてくれたのはダンデだよね」

最初はオノノクスが助けてくれたんだと思った。でも、あの後しばらく、君が左手を庇っているのに気がついたの。その、手の傷、私を庇ってできたものだよね。

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