此方へ来い / 芸術コンビ
「お前達は次の任務だ。水ノ国へ行きこの女を連れて来い。暁の新たなメンバーとして迎える」
そう言って2人の目の前にターゲットの写真を出し任務を告げた後姿を消すペイン。
「ったく、何でオイラたちがこんな任務やらなきゃいけねぇんだ、うん」
「他の奴は出払っている、文句言ってねぇでさっさと準備をしろ」
文句をぶーたれているデイダラとは裏腹に与えられた任務はこなす、と言いサソリは足早に部屋を出る。
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しばらくして準備を終えた2人は水ノ国へと出発した。
サソリはいつもヒルコの姿で任務へ行くが、今日の任務は戦闘をするつもりはないと言わんばかりなのか本体で任務を行なっている。
「旦那がヒルコの姿じゃねぇと、見慣れねぇな」
「ふん、言ってろ。いいから早く行くぞ、こんな任務秒で終わらせる」
水ノ国まではデイダラの起爆粘土で作った鳥に乗って向かう。
ペインからは連れて来いと言われただけでその人物の情報を一切知らない2人は写真を見ただけでか弱い小娘だと判断した。
「あんな弱そうな奴が暁の新しいメンバーだなんてオイラは認めねぇよ、うん」
「どんな術を持っているのか知らねぇが、いざというときは俺のコレクションにでもしてやるか」
納得のいかないデイダラと自分のコレクションが増えることに喉を鳴らすサソリ。
しばらくして水ノ国に着き、ターゲットがいる小屋へと到着した。
起爆粘土から降り、デイダラは小屋の扉を思いっきり蹴り飛ばしてしまう。
ダンッと扉の壊れる音にびっくりしたターゲットは目を丸くして入口の方を見ている。
「お前を連れて来いとリーダーからの命令だ、大人しく従ってもらうぞ、うん」
「…えっ、あの、そんな急に…まず貴方達は誰なの…!」
ズカズカと小屋の中へと足を進める2人にターゲットは身を震わせて小屋の奥へと後退りをする。
「本当にコイツで合ってんだろうな、全くチャクラを感じねぇけど」
「それに旦那、オイラ達のことを知らねぇみたいだ。コイツ忍びじゃ…」
ターゲット本人なのか疑いの目を向ける2人に隙を見てゆうは2人を目掛けクナイを2本投げた。
キィン、キンッ、とデイダラとサソリはクナイを取り出し飛んできたクナイを弾いた。
「てめぇ、いきなり何しやがるんだ、うん」
「抵抗するってことは自分が何故狙われているのか分かってるみてぇだな」
2人は戦闘態勢に入りゆうにじりじりと近付く。
「チッ、居場所まで突き止められていたとは…暁からは逃げられないってことね」
先程は誰だお前らはと言っていたはずの小娘がボソッと暁の名を口にした。
それを聞き逃さなかったサソリは何故自分たちがこの任務を任されたのか理解した。
「へぇ、そういうことか。デイダラ、お前があの小娘の気をそらしている間俺が隙を見てこの毒の塗ってある忍具で小娘を抑える。この毒ならすぐにでも身体が痺れて動けなくなるはずだ、そうしたら連れて行くぞ」
「なら好きに暴れさせてもらうぜ、うん」
バッと飛び出しゆう一直線に走ってくるデイダラ。
走りながら小さい複数の起爆粘土を投げる。
「喝っ!!」
ドォォンッと地鳴りと共に小屋は吹き飛ばされてしまう。
ゆうは反応が遅れてしまい吹き飛んだ小屋の一部が左腕を掠めた。
「うぐっ…」
左腕を抑え辺りを見回す。
しかし、あの2人の姿が見当たらない。
ゆうは今のうちにと木陰に隠れ、自分に医療忍術を施す。
見る見るうちに怪我は治り出血は止まった。
ゆうが暁に狙われているのはきっとこの高い医療技術のせい。
暁だけではなく色々な国からも狙われた。
よし、と立ち上がった瞬間、ワイヤー付きのクナイにより木に貼り付け状態にされてしまった。
動くたびにギチギチとワイヤーが身体にめり込んでくる。
「おっと、あんまり動かねぇほうが身の為だぜ。このワイヤーには特製の毒が塗ってある、時期にお前は意識を失うことになるがな」
「はっ、残念だったなぁ。もうかくれんぼは終わりだぜ、うん」
ワイヤーの締め付けの痛みに耐えながらも目の前の2人を睨みつける。
けど2人はそんな姿を余裕そうに見下し嘲笑う。
だんだん毒のせいで意識が朦朧としてきたゆうは虚ろな目でサソリを見る。
「はっ、いいツラになってきたじゃねぇか。ますますコレクションにしたくなる」
「…いったい、わ…わたしの、なにが…もくてき、なの…」
「さぁな、リーダーに連れて来いって言われたからオイラたちはここに来ただけだぜ、うん」
これもまた運命なのか、もう逃げ回るのはやめろという神様からの忠告なのか。
意識が飛びそうな中、ゆうは最後に口を開いた。
「…ねらわれるのは、き…っと、この…いりょ…ぎじゅつ、ね…しかたがな、いから…てをかして…あ、げる」
そう告げた後意識を手放した。
「リーダーの目的はそういうことだったわけか、うん。…っておい、旦那?」
意識を失い力なく貼り付けにされているゆうの頬に触れる。
こいつも俺たちと同じで孤独の中にいた、光を失い闇そのもの。
「暁に入れ、孤独からは解放される」
そう言いワイヤーを外し気を失っているゆうを鳥型の起爆粘土へと乗せる。
「帰るぞ」
暁の治癒役が目的なのかそれとも、こいつを孤独から解放させたかったのか。
リーダーの考えることは全く分からない、が俺も救われた内の1人だ。
それからして、ゆうが暁の一員になり笑顔を取り戻したのはすぐの事だった。