あれからうちが泣き止むまで廉造はずっと傍におってくれた。
家に帰ってからもずっと頭から廉造のことが離れんで勉強どころやなかった。
それにあんま寝れんかった。
気が付いた頃には辺りが明るくなっとって鳥が鳴いとった。
「おはよーさん。…って、どないしたんやその顔!?」
「あ、おはよー。ちょっと眠れなくて」
ははっ、と少し笑ってみせる。
「寝不足はあかんって!今日のテスト、大丈夫なん?休んだほうがええんちゃう?」
廉造がうちの体を支えてくれた。
「大丈夫大丈夫、テストくらいへっちゃらや!」
廉造に向けてピースをする。
テストだけは何があっても受けたいんや。
今の自分の実力が知りたいから。
それによって来年から通う高校が決まる。
うちは廉造と約束をして近くの高校に行く予定や。
けどその高校はレベルが低過ぎて、うちは先生に他の学校を薦められた。
そうすると廉造と離れてまう。
それだけは絶対に嫌や。
…うちが自分の実力を知りたいんは、あの正十字学園にうちは入れるレベルに達しとるんか知りたいからや。
こないだ、廉造ん家に行っとった時たまたま金兄と柔兄が話しとったのを聞いてしもたんや。
内容は、廉造を正十字学園に入学させるっちゅー話やった。
それを聞いた瞬間、うちの頭ん中は真っ白になった。
約束したんに、
離れ離れになってまう。
廉造は学力やなくて他の推薦で入るらしい。
…約束、したんに……。
叶わへんのんか。
これは何や、神様の悪戯か何かなん?
…それやったら、どれだけええことか。
現実、なんやもんな…っ。
「廉造、同じ高校に入学しようね」
うちは前を向いたまま、廉造に言うた。
廉造の返事は、
「おん、ずっと一緒や」