あのあとうちらは学校に行き、普通にテストをして普通に帰ってきた。
そして今日はいよいよ、テストが返されるといううちにとってはある意味大事な日。
「廉造のテストはどんくらい可哀相なことになっとんのやろなー」
とうちは笑いながら言う。
「縁起悪いこと言わんとって下さい!…あかん、泣きそうや」
「アホか。まだ返されてへんのやから泣かんでええ」
うちは涙目になっとる廉造の頭をポンポン叩きながら更に笑う。
「もう笑わんといて下さいよー!」
むきになる廉造がなんだか子供みたいで可愛かった。
昔もこないなこと、あったような気ぃするわー。
「はいはい、」
うちは廉造に適当に返事を返して学校へと運ぶ足を早める。
――――…
学校に着き授業が始まるまでうちは窓の外を眺めとった。
今日は少し風があって心地が良い。
空を飛ぶ鳥たちがいつもより生き生きとしとるように見えるんはうちだけなんやろか。
やっぱ見るもんはその人の気分によって変わるもんなんやな、うん。
廉造は今、どないな気分なんやろか。
あれから少ししてチャイムが鳴りうちは席に戻っていつも通りに授業を受けた。
ちゅーかテストを返されただけやねんけどな。
――――…
一日が終わるんはほんまあっという間や。
気が付いたらもう放課後になり、クラスの子たちが帰って行く。
「名前ー!迎えに来たでー!」
教室の扉を勢いよく開け、廉造が出入口で大きな声を出す。
相変わらず廉造は…
呆れた目で廉造を見てから席を立ち、鞄を持って廉造の元へ行く。
「廉造、テストどうやったー?」
「あ、あー、えっとー…」
急に黙り込む廉造。
絶対悪かったんやな。
せやからうちに言われへんのやな!
はっはー!
やっぱり廉造は勉強しても馬鹿や!
うちは心の中で嘲笑う。
「やっぱり点数が悪かったんやろー」
けらけら笑いながら言うた。
けど廉造は「いや、ちゃうんよ」そう言うて鞄からテストを取り出してうちに渡す。
その受け取ったテスト全部の点数を見た瞬間、目がこれでもかってくらい開いた。
いやだってな、あの廉造がテストで70点以上取ってんねんで!?
しかも数学以外全部や!
数学はまさかの93点。
明日は嵐が来るんかな。
ちゃんと戸締まりしとかな。
「な、びっくりしたやろ?」
「は、ははは。これは夢なんやな。いやー、怖い夢やわほんま」
うちはそう言いながら自分の右頬をつまむ。
…ん?
あれ、どうしてやろか、
夢のはずやのに痛い。
「夢ちゃいます!現実や現実!」
廉造の声にハッとなり、これが現実っちゅーことを確信する。
何か知らんけど悔しい。
成せば成るてやつか。
「スゴイスゴイ」
「何でカタコトなんですか。名前はどうやったん?テスト」
「…いつも通りや」
そう、うちの結果は上がったわけでもなく、下がったわけでもない。
だから悔しいんや。
全然成長せぇへんかった自分に腹が立つ。
…けど、廉造の点数が上がっただけでも良しとしよか。