Let's スタディ

うちらは廉造ん家に着いて、すぐ勉強に取り掛かる。

ってか、取り掛からな終わらんしな。


始めて少し経った頃、廉造がねっころがりよった。

「あー、勉強のし過ぎて脳みそパンクしてまいそうやー」

とかふざけたことをぬかしよる。

「大丈夫や。廉造の頭ん中にはパンクする程脳みそ入っとらへんさかい、パンクの心配はないで」

「な、」

うちの言葉に廉造は言い返そうとしたみたいやけど、結局何も言わんかった。

少しムッとしながら起き上がり、また勉強を始める。






時刻は7時を回りそろそろ帰らなあかん、ってうちがおもとったとき

「名前ー、アホな廉造に勉強教えたってくれてありがとな。夕飯出来たさかい、食うてき」

金兄が廉造の部屋に来て、夕ご飯を誘うてくれた。
もちろん返事は「はい、喜んで」や。

「人ん部屋入るときはノックくらいしてくれへん?プライバシーの侵害や!」

「お前にプライバシーもへったくれもないわ、アホ」

「金兄がアホや!」


うちを挟んでの兄弟喧嘩が始まってしもた。
二人の喧嘩は止まるどころかどんどんエスカレートしていっとる。


うちは苛々がMAXになり、はよ黙らんとキレんで。
っちゅーどす黒いオーラをうちが出しまくっとったら、二人の口は止まった。


「廉造、あんたホンマに勉強する気あるんか?あ゙あ、」

あかん、廉造に軽くキレてしもた。
廉造を見るとびくびく震えながら「す、すんません…」って謝った。

その姿を見てまうと、ホンマ申し訳ない気持ちになる。


そして金兄はというと、こっそり部屋を抜け出そうとしとった。

そんな姿を見てうちは溜息をつく。


この兄弟は何ですぐ喧嘩すんのやろ…。
いっつも冷静沈着な柔兄を見習いや、アホコンビ。


「廉造、このページの問題が全部終わるまで夕ご飯は抜きやからな」

「ちょお、待って!このページ、他のページより明らか問題数多いやん!何でこのページなん!?」


廉造があわあわと文句を言いよる。
そんで質問の返事はもちろん、

「問題数が1番多いからや」

うちがこれを言うたら廉造は半泣きになりながら「鬼ー!」て言うてきた。

まあ確かにあの問題数は鬼畜やな、うん。

けど一応これも廉造の為を思うてのことやからしゃあないねん。

少しなら手伝ったるか、





――――…


あれから3時間。

廉造はやっとあの問題全て終わらせた。
しかも答えはちゃんと合っとる。

ふっ、うちの教え方がええさかいバカでもしっかり解けたんやな。
とうちは自画自賛をする。


「お疲れさん。もう10時やし、うちはそろそろ帰んで」

持って来とった自分の物を鞄に入れ、帰る支度をする。

机の上の筆箱を取ろうと手を伸ばしたら、廉造にいきなり掴まれた。

「な、なん?筆箱片付けられへんやろ、離し」

「泊まってけばええやん。外はもう暗いんやし」


廉造はうちの手を掴んだまま離そうとせん。

廉造の目はいつもとは全くちゃう、今は真っ直ぐな目をしとる。

それは吸い込まれてしまいそうなくらい真剣な眼差し。


「アホ、普通に帰れるわ。それに廉造ん家だけは色々不安で泊まれへん!」


廉造の手を振りほどいてうちは部屋を飛び出した。


お邪魔しました。と言うて志摩家を出て家へ向かう。

その最中、筆箱をうっかり置いてきてしまったことを思い出し後悔をした。