お昼寝 / 雪男
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キーンコーンカーンコーン
…今のチャイムは午後の授業開始の合図だ。
でもそんなの私には関係ない。
だって今からランチ後のお昼寝だもんね!
さーて、今日は天気が曇りだから屋上でお昼寝しようかな。
晴れだと眩しくて寝てなんかいられないし、雨だと屋上になんか行けない。
前に雨具フル装備で行ったけど失敗に終わっちゃったんだよね。
あん時は悔しかったなぁ。
空き教室がないから机をベッドにしてお昼寝ができない学校、それが私が今通ってる学校さ!
ったく、空き教室くらい作れってんだよ!
余裕ってほら、大事じゃん?
まぁ屋上に行けるだけマシか。
「こんなところで何をやってるんですか、ゆうさん」
「はひぃぃぃぃい!すっ、すいませんすいません!もうつまみ食いはしませんから許して下さい!」
いきなり背後から声を掛けられたせいでいろいろ焦ってしまい、寮のご飯をつまみ食いしていたことを後ろに居る誰かについ告白をしてしまった。てへぺろ☆
「てへぺろって何ですか、かわいこぶっても無駄ですよ。それより早く僕の質問に答えて下さい」
別にかわいこぶってなんかないし!
ノリだよノリ!
これだから最近の人間は。
「見れば分かるでしょ。今から私はランチ後のお昼寝をしに行くの」
開き直った私は返答後に後ろをパッと振り向く。
するとそこにはニコニコし過ぎているメガネ君が立って居るではないか。
「ちゃんと授業を受けて下さい」
ただでさえ馬鹿なんですから、と最後に付け加え私を蔑んだ目で見下ろす。
…このメガネ野郎ぉお!
さっきから大人しく聞いてりゃ何だよマジ!
「私より少し頭が良いからって!」
「勉強を真面目にすれば誰だって頭が良くなりますよ」
ああ言えばこう言う、とはまさにこの事をいうのだろう。
「なら貴方はどうしてこんなところに居るんですか優等生くんはサボっても余裕とか?」
私は皮肉たっぷりに言ってやった。
「はぁ…ゆうさんが居ないから探して来いって言われたんです。監視役を任された僕の身にもなって下さい。それに貴女はいつもいつも、」
奴の長い説教を廊下で立ちながら聞かされる羽目になった私は落ち着かずキョロキョロし始める。
早く終わんないかなー、なんて考えていると、
「聞いてるんですか」
そう言われてめんどくせぇなーって思った私は適当に頷いた。
「ゆうさんのそういうところが、」
うっわ、また始まったよ…。
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それから何十分が経っただろうか。
私の足もがたがたし始めて立つのが嫌になった私はその場から逃げようとした。
けど、雪男に腕を掴まれた。
「……何、」
不満だということを顔に表す私の頬に手を添えてきた。
「…僕から離れないで下さい、心配なんだ」
そう言って雪男は悲しそうな顔をした。
その表情を見た瞬間、胸が締め付けられたように苦しくなった。
…そうか、私たちはお互い気付かないうちに惹かれ合っていたんだ。
「―好き、かも」
私はそっと雪男の頬を撫でた。