キャンバスに映る貴方
第四話





chapter:恋心





「んっ、っふぐっ!!」


痛い。


――いやだ。いやだ、涼……。

貴方以外に触れられたくなんてなかったのに……。


涙が目を霞ませて、視界が滲む……。



「っふ……むぅ……」


涼……。

触れられたくない。

涼……。

淫猥な水音が、僕を悲しみのどん底に突き落とす。



好きな人を叫んでも、来ないのは仕方がない。

だって、一緒に美術室に行こうとか、そんな約束さえもしていない。

こうして僕は、涼じゃない人に肌を重ねて、涼に相応しくない汚れた人間になっていくんだろうか。



涼を想うこの気持ちは、所詮、叶わない恋だったのかもしれない……。

だったら涼を知らなければよかった。

涼を知らなければ、こんな悲しい思いをすることなんてなかったんだ……。


告白なんてしなければよかった。

そうしたら、彼とはただの先輩と後輩だったのに……。



頬を伝う悲しみの涙と痛む胸で、もう抵抗する気力さえも起きなくて、僕はただ唇を噛みしめ、嗚咽を殺す。


僕が抵抗しなくなったのをいいことに、恭一は、僕を戒めていた手を除けると、自分の欲望のまま、僕の身体に冷たい手を這(は)わせる……。



ズボンの腰に巻いてあったベルトが解かれる金属音と、ジッパーを下ろされる音が静かな部屋に響いた。


「心桜……」

あらわになった下半身の前で、恭一が僕の名を呼ぶ。


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