キャンバスに映る貴方
第四話





chapter:恋心





愛おしげに呼ばれても、全然嬉しくない。

悲しい涙が、頬を流れ続ける。



僕の両脚が、彼によって持ち上げられ、秘部があらわになった。



「綺麗だ……。ここは赤いね。ここをたっぷり可愛がって、ずっと奥に貫いてあげるからね?」


後孔に生ぬるい息が注がれた。


「……っつ!!」



恭一に抱かれてしまうんだ。



観念して目を閉じたその時だった。



「心桜っ!」


僕の名前を呼ぶ声と一緒に、恭一という重石がなくなった僕の身体が、宙に浮いた……。



僕の身体は力強い腕に包まれて――。


目の前では、無様に倒れ込んでいる恭一が見えた。



え? え? え?

なに? どうしたの?



何が起きているのかもわからず、僕を抱きしめている人物を見れば――……。


そこには、眉尻を上げて口元を引き結んだ――――涼がいた。



「先輩。先輩が心桜を想おうが想うまいが別に構いはしませんけど、心桜の気持ちを無視してそういう行為にうつるのは許せませんね」


――涼。

涼だ。



「りょう……」

……怖かった。


僕は向きを変えて、涼と向かい合うと、太い首に腕を回した。


「もう大丈夫です」


ボソリと耳元で囁いてくれるその言葉が、何よりも僕を安心させてくれる。


強張ってしまった身体から、余計な力が少しずつ抜けていく……。



涼は不思議。


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