キャンバスに映る貴方
第四話





chapter:恋心





空気が欲しくて口を大きく開けたら、涼の熱い舌が僕の口内に滑り込んできた。


「ん……っはぁ ぁ……」


好き。


大好き……。

僕にはやっぱり涼しかいない……。


甘い口づけは痺れをもたらし、僕の身体に震えが走る。

だけど、この震えはけっして恐怖から来るものじゃない。

「っふ……んっ」

その証拠に、涼との深い口づけの合間に、甘い吐息がこぼれ落ちる。



僕は涼の熱い舌に応えるため、自分自らも舌を絡める。


生まれ出た水音が、静かな教室内に響き渡る。



「……このまま見たいですか? 俺が心桜を抱く場面を……」


「……っく!!」


えっ?

なにっ!?


涼の言葉と、漏れる呻き声によって、我に返ってしまった。



――ああ、僕はなんてバカだろう。

涼との口づけに酔いしれて、ここに恭一がいるっていうことを忘れていたなんて!!


恭一のことだ。

僕と涼との関係をバラすだろう。

そうなったら、涼に迷惑がかかる。

同性愛者の僕とは違って、涼は健全な男性だ。


涼のご家族の方に、もし、僕とのことがバレたら、将来が台無しになってしまう。

「涼、涼!!」

『僕から離れて!!』

そう言うために、僕は彼のブレザーを引っ張った。


それなのに……。


「うぅ……んぅ」


一度は離れたと思った唇が、また僕の唇を覆う。



違う。違うよ涼!!


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