chapter:恋心 僕との仲を恭一に知られたら、後々厄介なことになるんだ!! 「……んっん、んぅ……ダメ、みんなに知られちゃう……」 僕の口内を我が物顔で蹂躙する熱い舌に翻弄されそうになるのをなんとか堪えて、息をする合間に離れる唇。 その瞬間を狙って、なんとか僕の気持ちを告げれば、ニッコリと微笑まれてしまった。 「教えてやりましょう。心桜が俺のものだって……」 どうして……。 涼は卑怯だ。 涼はなんて酷い人!! 蕩(とろ)けてしまいそうな、そんな甘い笑顔を見せられたら――。 甘い言葉を告げられたら――。 僕は何も言えなくなってしまう。 「涼……涼……大好き。すごく好き……」 抗いきれなくなった僕は、彼の首に腕を巻きつけ、重なる唇を堪能した。 「う、う、うじょだああああああっ!!」 そんな燃えるようなひとときを過ごす僕の耳に、泣き声と叫び声が入り混じった声が遠ざかっていくのを、どこか遠くの方で聞いた……ような気がした。 「僕ね、実は、こういう経験、実は初めてじゃないんだ」 どれだけの時間、舌を絡め合うキスを交わしただろう。 気がつけば、恭一の姿はどこにもなく、二人きりになった教室で、僕は静かに口を開いた。 「心桜先輩……?」 「過去にも、こういうことがあったんだ……。男にだよ? あり得ないでしょう?」 自嘲気味に笑う僕の背中には、未だ涼の手が撫でてくれている。 |