chapter:甘い吐息 その声に合わせて視線を向ければ、僕が流した先走りが涼の手にべっとりと付いている。 「やっ」 恥ずかしい。 それなのに、涼の男らしい骨張った手から視線が外せない。 そのまま僕が濡らしてしまった涼の手を見ていると――……。 彼が、長い舌で丁寧に、僕が放った先走りを舐め取った。 「涼っ!!」 とてつもなく淫猥なことをしているのに、艶かしい色香を放つ涼の姿が、とても雄々しくて格好良い。 僕の中心はまた涼を欲して昂ぶってしまう。 「あ、や、涼、涼……助けて……僕……貴方と繋がりたい……」 「心桜……」 「お願い……涼……」 涼が欲しくてたまらない。 溢れた涙をそのままに、貴方が欲しいと懇願したら、涼は身体を離した。 「浴槽に手をついて、前かがみになって、後ろを向いてください」 「ん……」 言われるがまま、コクコクと頷くと、後ろにいる涼にお尻を突き出す体勢になった。 普段は恥ずかしいと思う姿勢も、今はすっかり欲望に埋もれてしまった。 涼以外、何も考えられない。 彼と繋がるのを心待ちにする僕。 だけど、屈んだ僕の背後から、涼がやって来る気配は一向にない。 何もされないままこの状態でいるのはさすがに辛い。 この時間がもどかしい。 涼はいったい今、何をしているの? 早く繋がりたくて、我慢できなくなった僕は、後ろを振り向きかけた直後――後ろから手が伸びてきた。 |