キャンバスに映る貴方
第五話





chapter:甘い吐息





その声に合わせて視線を向ければ、僕が流した先走りが涼の手にべっとりと付いている。

「やっ」

恥ずかしい。

それなのに、涼の男らしい骨張った手から視線が外せない。

そのまま僕が濡らしてしまった涼の手を見ていると――……。

彼が、長い舌で丁寧に、僕が放った先走りを舐め取った。

「涼っ!!」

とてつもなく淫猥なことをしているのに、艶かしい色香を放つ涼の姿が、とても雄々しくて格好良い。

僕の中心はまた涼を欲して昂ぶってしまう。

「あ、や、涼、涼……助けて……僕……貴方と繋がりたい……」

「心桜……」

「お願い……涼……」

涼が欲しくてたまらない。

溢れた涙をそのままに、貴方が欲しいと懇願したら、涼は身体を離した。

「浴槽に手をついて、前かがみになって、後ろを向いてください」
「ん……」

言われるがまま、コクコクと頷くと、後ろにいる涼にお尻を突き出す体勢になった。

普段は恥ずかしいと思う姿勢も、今はすっかり欲望に埋もれてしまった。

涼以外、何も考えられない。

彼と繋がるのを心待ちにする僕。

だけど、屈んだ僕の背後から、涼がやって来る気配は一向にない。



何もされないままこの状態でいるのはさすがに辛い。

この時間がもどかしい。

涼はいったい今、何をしているの?

早く繋がりたくて、我慢できなくなった僕は、後ろを振り向きかけた直後――後ろから手が伸びてきた。


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