キャンバスに映る貴方
第三話





chapter:思い焦がれて




◆Side:Ryo Tohdo◆



「先輩、好きです」

「うん、僕も」


――そうして俺の唇に、彼の柔らかい唇が触れた……。


「先輩……」


俺の目の前には、絵画モデルのような、如姫 心桜(きさき みおう)先輩がいる。


先輩は、蠱惑的(こわくてき)な小さな唇で、何度も俺の唇を啄(ついば)み、誘惑する。


俺は我慢できずに、野性的な唸り声を上げて彼の唇に強く吸い付いた。



「……んっ、っふ……」



俺がふっくらとした唇の角度を変えるたびに、こうして悩ましい声が放たれる。



もっと聞きたい。


可愛い先輩の声をもっと――……。



願望を募らせ、唇が開いた瞬間を狙って熱い口内に舌を忍ばせる。



「……っふ」

先輩の口内を我が物顔で蹂躙する俺の舌に、一生懸命応えてくれる。



可愛すぎる。



舌が重なって、動くたび、水音が聞こえてくる。

それに刺激されて、下半身がジクジク疼いて仕方がない。



押し上げてくる熱を止めることができなくて、俺は彼の腰をいっそう引き寄せた。

すると、熱を持った、互いの下腹部が当たる。


そうして分かるのは、先輩も俺と同じように自身が勃ち上がっているということだ。



俺とのキスに興奮してくれている。


そう思うと、たまらないほど嬉しくなるし、可愛い先輩を、もっと欲してしまう。


俺は、艶やかな髪に指を差し入れ、さらに彼を引き寄せた。


「あっ、まって……」


先輩は、先を急ぐ俺の胸板を押して、拒絶した。


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