chapter:Bump~運命の出会い 「だってそうだろう? 金がないオレの前にホイホイ金目のものを出して、無償でオレに渡して、いいことをしたって? 偽善者ぶんじゃねぇよっ!! そりゃ、盗みはいけないことだっ! ――だけど、そうしてまで生きてかなきゃいけない世の中を作ってんのはお前ら金持ちだ!! 『金さえ渡せば問題は解決する』とか、軽々しく思ってんじゃねぇよ!! ――本当に、もし、本当にオレたちを救おうと思うのなら、その場しのぎの奉仕じゃなくて、貧しい人間にも働けるこの世の中を作ってみやがれっ!!」 ……――父さんは、過度の労働でこの世を去った。 父さんが亡くなった当時、オレはいくら幼かったとはいえ、仕事から家に帰ってくるたび、少しずつ痩せこけていく頬を見て、自分の前から、いつか居なくなってしまうんじゃないかと、とても不安になっていたのをよく覚えている。 今になって知ったのは、過酷な労働条件だったということ……。 父さんは、国のために働かされ、それなのに、ろくにご飯さえも与えてもらうこともなく、ただ毎日、過酷な労働に身を置いていたんだ。 オレたちスラム街に住む人間を奴隷としか思ってない奴らに、奉仕を受けるなんて、まっぴらごめんだ!! ……ズキズキ。 ……ズキズキ。 胸が痛い。 あまりの胸の痛みに堪えきれなくなったオレの目からは、とうとう涙があふれ出した。 |