アラビアン・ナイト
第五話





chapter:Night~捕らえられて





そのおかげもあってか、外は真っ昼間だというのに、テントの中は太陽が沈みかけた夕方のように薄暗い。



それを補うようにして、天井ではオレンジ色の小さな豆電球がテントの中を照らしていた。



――そしてオレは今、3人の男たちに品定めよろしく見下ろされている。


ココの奴らはみんな、金があれば偉いと思っている馬鹿ばっかりだ。


そんな奴らに見下されるのが悔しい。


何もできない自分が惨めで泣けてくる……。


だけど、こんなところで泣いたりしたら、弱い人間だと思われる。

たとえ金が無くったって……。


売られたって……。



コイツらには負けたくはない。


泣いたら負けだ。

だからオレは、眉尻をぐいっと上げた。


目の前にいる大人たちを睨(にら)み上げると、涙を浮かべないようにと歯を食いしばり、精一杯、虚勢を張る。


だけど、そんなオレの威嚇(いかく)は、奴らにとってどうということはなかった。



そりゃそうだよな。


なんたって、オレの両腕はきっちり縄で縛られてるし、この場で逃げ出そうものなら、母さんや妹のマスーメに迷惑がかかる。


それがまた、オレを惨めにさせた。




「お前の目は節穴か? こいつ……そこいらの奴よりもなかなかいい素材だとは思わないか?」


仲間に牙を向けられ、首根っこを掴まれたお頭と呼ばれる男は、とても冷静だった。





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