chapter:Night~捕らえられて 仲間の手をふりほどき、オレの前にしゃがみ込む。 歯を食いしばるオレの顎を持ち上げ、ニヤリと気味が悪い笑みを浮かべた。 ……触れられた手の感触が気持ち悪い。 その感触をたとえて言うなら、ナメクジがオレの顔を這うような、そんな感じ。 あまりにも気持ちが悪くて、よりいっそう頭領の男を睨むオレ。 だけど、奴はそれを楽しそうに見下ろすばかりだった。 「そう言われてみれば......」 頭領に噛みついた男は、浅黒い顔をオレに近づけ、同意した。 おかげで、そいつの顔に無精ひげがあることがわかった。 品定めするようなジトジトした視線と相まって、そのひげがまた、気持ち悪いと思わせる。 「だったら、さっさと売り飛ばそうぜ?」 「っぐっ!!」 また別の男がそう言うと、頭領は、オレの両腕と繋がっている縄を引っ張り、膝立ちにさせてきた。 それを合図に、無精ひげがある男がオレの両足首を持ち、身動きできないようにと固定してくる。 「――その前に、より高額で売り捌(さば)けるように、こいつを馴らしておいた方がいい」 頭領は、顎ひげに指を絡めると、目を細めた。 馴らす? コイツ、何を言ってるんだ? 「よし、まずは、胸だ」 頭領の言葉に反応した仲間のひとりが、何かの長細い小瓶を差し出した。 |