chapter:Night~捕らえられて いくらか胸のあたりを指で擦られていると、腹の奥底で、何かが疼くような、そんな気さえしてくる。 「…………んっ」 オレの体が、ビクンと震えてしまった。 後ろに縛られた腕の痛みが、おかしな疼きと入れ替わりにやってきた。 「やっと媚薬の効果があらわれたな……」 「んっ、なっ!?」 媚薬だって? それを聞いたオレの背筋に悪寒が走った。 男のオレにとって、胸はあっても、無いのと同じ。 ただの飾りでしかない。 ……ハズ、だった。 それなのに、今、オレはたしかに胸が疼いている。 媚薬って、ひょっとして男たちが持っていた小瓶の液体か? アレが、オレを女性と同じように、胸を触られただけでも感じてしまう効果があるっていうんだろうか……。 それを考えると、恐ろしくてたまらない。 もし、コイツらの目的が、オレを女のようにさせるつもりなら――。 売られた先にあるものは、想像と、まるっきり違うものになる。 だってオレは、てっきり金持ちのひとりに買われたら、体が動かなくなるまで眠る暇無く力尽きるまでコキ使われるとばかり思っていたんだ。 だけどこの行為の意味は、オレの体が労働だけじゃなくて、他のことにも使われるっていうことになるんじゃないのか? こいつらにとっての『商品価値』って、そういうことなのか? |