アラビアン・ナイト
第五話





chapter:Night~捕らえられて





……そんなの、イヤだ。


オレは男で、女じゃないっ!!


しかも、オレにとって、毎日が生きるか死ぬかの瀬戸際だったから、性行為はほとんどといっていいほど皆無だった。


そりゃ、自身が疼いたら触っていたりもしたけど、ただそれだけだ。


オレが生きてきた今まで、誰かと体を重ねたりとか、そういうことも考えたことがなかった。


ほとんど無知な行為が、オレが大嫌いな奴らによって暴かれるなんて、冗談じゃないっ!!



「っ、はなせ、はなせよっ!!」


怖くなったオレは、全身を拘束されて動けない体の代わりに言葉で拒絶する。

だけど、ココは人買いという名の巣の中だ。

当然、オレを助けてくれる奴なんていない。


そして、ココにいる奴は、オレの言葉をまるっきり無視して、ただオレを女に変える作業を続ける。


「おい、弄っておけ。今夜参加する手はずになっている闇の市場で、すぐ売れるようにな」




「わかった」

今までオレの胸を触っていた頭領が、オレの顎と腰を拘束していた奴に命令する。


子分の返事で消える感触。

だけど……。

 一度は無くなった指が、別の指になって、またオレの胸を弄りはじめる。


「小せぇのに尖ってきて、そそられる……」


乳首を弄っている男はそう言うと、少しずつ、指に力を込めはじめた。


摘み、あるいは指の腹で、強く擦ってくる。





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